李登輝氏の発言に、台湾も中国も大反発
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今年92歳となった台湾元総統・李登輝氏が、日本訪問中に「尖閣諸島は日本のものだ」という発言をしたことに対し、台湾、中国で大反発が巻き起こっている。李登輝氏が台湾に帰国した7月26日には、民間団体のメンバーらが桃園国際空港・到着ロビーの外で抗議活動を行った。
抗議行動では「岩里政男(李登輝氏が日本統治時代に使用していた日本名)は日本に帰れ!」「釣魚台(尖閣諸島)は台湾のもの!」と書かれたプラカードが掲げられた。抗議の主なメンバーは、台湾と大陸の統一を求めることを大きな主張として掲げる中華統一促進党の党員らで、李氏が7月23日に日本外国特派員協会の記者会見で「尖閣列島は日本のもの」と発言したことに対し、激しく反発。台湾の総統府や外交部(外務省にあたる)、与党・国民党も批判した。
李登輝氏は、日本統治時代に京都帝国大学農学部に進学、1944年には学徒出陣によって出征、名古屋の高射砲部隊に陸軍少尉として配属され、終戦は名古屋で迎えた。台湾の民主化に大きく貢献した人物であるが、現在でも流暢な日本語を話すなど、日本に対して愛国的な発言も時折見せることがある。台湾独立主張にあたっては、中華人民共和国に対して、激しく嫌悪感を示してきた人物だ。
台湾国内では「たしかに台湾躍進には貢献したが、一方で『台湾を日本に売る売国奴』」との見方も出ている。訪日中の李氏の発言に対し、中華統一促進党は、激しく反発、一部議員は李登輝氏が「外患罪(外国と通謀して母国に不利益を及ぼす)」を犯したと批判している。
【杉本 尚丈】
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