台湾政権交代濃厚で、中国ピリピリ
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来年1月の総統選で、台湾の野党・民進党の「政権奪還」が濃厚になってきたことを受け、中国大陸の情勢がピリピリしてきた。国内報道を通じて、支援する与党・国民党の洪氏を擁護する方向性の特集が組まれてきた。さらには、中国軍が台湾攻撃を想定に入れた動きを展開といった報道もなされている。
台湾総統選は、与党国民党・洪氏と野党民進党・蔡英文氏の、女性同士の一騎打ちの対決となるが、世論調査や支持率などから、「蔡英文氏勝利」の目算が強い。蔡英文氏は露骨には口にしないものの、外遊先のアメリカなどでは、独立志向色を帯びたコメントをしている。現与党・国民党は2008年に馬英九氏が総統に就任して以降、大陸側と密接な関係を築いてきた。「統一」とまではいかないものの、経済的な歩み寄りや、大陸~台湾間のビザ緩和、観光客大量流入などの実績を築いてきた。
一方、世論では「蔡氏圧勝」との声が強いと言われるが、毎回、ふたを開けてみれば、総統選は「接戦」に持ち込まれるという過去がある。大陸側としても民進党を揺さぶり、独立色の強い発言を控えさせたうえで、あわよくば民進党の政権奪取を阻止したい意向だ。そして、民進党が政権奪取したとしても、その後、大陸が主導権を握ったまま、東アジアでのイニシアチブを握っていきたいという目論見がある。また、台湾側は、与党主導で、教科書表現を「大陸寄り」に傾けると、「与党のポジションにいる間の横暴」といった批判も生まれている。
台湾メディア関係者は「毎回、総統選挙のたびに、大陸はミサイル演習を行うなど、必要以上に台湾の動向を牽制してくる。牽制や圧力をかけるようなことをすることで逆効果という見方もあるなかで、大陸側も、民度を保ってほしい」と話している。
【杉本 尚丈】
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