2024年12月23日( 月 )

韓国経済ウォッチ~インドにかける韓国企業

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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)

asia 1987年から解放・改革を進めてきた中国経済は、世界の工場と呼ばれるほど製造業を中心に高成長を続けてきた。しかし、最近になって、中国は労働コストの急激な上昇などで経済成長は鈍化している。ところが、韓国の成長は過去20年間、中国の成長によるところが多く、このような中国の成長鈍化は、韓国経済にとっては深刻な悩みになっている。
 それでは今後の20年、韓国経済はどこに経済成長を求めるべきだろうか。その解として浮上している国は、インドである。韓国とインドは2010年1月にFTAに調印していて、両国の経済協力による発展の可能性は極めて大きい。

 インドの人口は、約13億人である。とくに、人口の半分以上は24歳以下の若い人が多く、今後、インドの成長は大きく期待されている。世界通貨基金(IMF)の統計によると、世界の経済成長率が3.5%から3.3%に下方修正されているなかで、インドだけは15年に7.8%の成長を、さらに16年には8.2%の成長が予想されている。

 このようなインドの成長可能性を見込んで、各国の首脳はインドにラブコールを送っている。14年9月に日本、中国、アメリカの首脳はインドのナレントラ・モディ首相と会談し、日本は350億ドルの投資を、中国は200億ドルのインドへの投資をそれぞれ約束している。
 しかし、インド経済は、財政と経常収支の双子の赤字を抱え、また高インフレに苦しんでいるのも事実である。貧困層の雇用増大、中間層の育成、消費の拡大などを政策目標に掲げた人民党のナレンドラ・モディ首相は、14年5月の選挙で圧勝し、10年ぶりの政権交代を果たした。モディ首相はインドの経済発展に注力し、今のところ高い評価を受けている。

 それでは、インドと韓国経済は現在どのような関係にあって、今後どのような可能性があるだろうか。インドには、日本企業は1,500社くらいが進出しているが、韓国企業は半分の700社くらいしか進出していない。中国に進出した企業数に比べると、まだ数が少ないのが現状である。
 7,500kmの海岸線を持っているインドは、造船産業が発達する可能性が大きいが、インドで建造されている船舶が1%に過ぎず、韓国造船企業の進出を求めている。今後、インドで船舶を建造して、東南アジア、アフリカなどに輸出することが期待されている。韓国の造船会社大手3社は、15年の第2四半期に4兆7,000億ウォンの赤字を計上し、インド市場のような新しい可能性を模索しないといけない時期でもある。
 電子分野も、インドで今後、大きな成長が期待される市場である。まだスマートフォンの普及率は低く、サムスンは第3の工場建設を、LG電子も去年1,400億ウォンを追加投資して、需要拡大を狙っている。
 自動車産業の場合、インドは自動車の部品には強みがある。現在、部品を生産してヨーロッパに輸出している。現代自動車はインドで市場シェア第2位になっているが、軽自動車中心から徐々に高級車の需要の伸びも予想されるので、インド市場の攻略は大事である。

 

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