韓国経済ウォッチ~現代自動車にチャイナショック(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
現代自動車は、1967年に設立された韓国を代表する自動車会社である。現代自動車は最初、フォード自動車と合弁で設立されたが、フォードとの合弁を解消し、日本の三菱自動車の技術協力を受け、韓国初の自動車であるポニーを生産することになる。
その後、現代自動車は成長を続け、現在は世界5位の自動車会社に成長している。年間の生産台数は、800万台を超え、1,000万台に向けて前進している。現代自動車はサムスンとともに、韓国経済を引っ張っている代表的な企業でもある。
ところが、現代自動車の成長に一番貢献している中国市場で、最近、異変が起きている。世界一の自動車市場に成長した中国で、現代自動車の販売台数は最近急速に減少し、話題になっている。現代自動車によると、先月の中国市場での販売台数は、5万4,160台で、3月の販売台数10万2,552台に比べると、4カ月間でほぼ半分近くになったことが明らかになった。7月の販売台数は、前年同期対比では32%減少したことになる。
サムスンも中国のスマホ市場で、シャオミ、ファーウェイなどの中国企業に首位の座を明けわたしたが、今まで中国市場で好調だった現代自動車もサムスンと同じような轍を踏むのではないかと、韓国では危機感を募らせている。今回は、今、中国の自動車市場で何か起こっているのか追ってみたい。
ここ数年、中国の自動車市場は、市場を拡大し続けてきた。人口の増加と経済成長にともない、中国の自動車市場は、2009年にはアメリカを抜いて、世界最大の市場に成長した。
しかし、最近になって中国の自動車市場は、成長が鈍化し始めた。14年の成長率は、13年の成長率を下回る6.9%増だったが、15年上半期は前年同期対比1.4%増の1,185万300台の販売にとどまり、市場の拡大に急ブレーキがかかっているような様子だ。その原因は、中国のバブルがはじけるなど、最近の景気の減速が影響しているようだ。それに中国メーカーの躍進で市場での競争が激しくなっていて、外国自動車メーカーの利益率を圧迫している。中国企業の品質はかなり良くなっているし、中国企業は外国企業に比べて30~40%くらい安い価格で低価格攻勢をかけていて、それが受けている。中国の自動車市場は4%成長しただけなのに、中国自動車メーカーのシェアは今年の上半期だけで28.7%も上昇し、市場シェアは30%後半になりつつある。
このような中国市場の状況は、韓国の自動車メーカーだけでなく、他の外国自動車メーカーにも影響している。
中国市場でトップシェアである独フォルクスワーゲンも、イチ(一汽)フォルクスワーゲンの場合は29%の販売減少を、上海フォルクスワーゲンは25%の販売減少を示している。市場シェア2位の米ゼネラルモータズとの合弁会社である上海ゼネラルモータズも21%の販売減少を、それからフォード自動車の合弁会社も20%の販売減少を示している。外国企業のなかでは、唯一日本車だけが販売台数を伸ばしている。中国での日本のメーカーの15年上半期の販売台数を見ると、トヨタ自動車は10.1%増の51万2,800台になっており、年間110万台の販売目標をクリアしそうだ。ホンダも30.4%増の46万901台を今年の上半期に販売している。7月の販売台数は、前年比50.4%増の7万3,099台で、好調である。
(つづく)
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