2024年11月23日( 土 )

韓国経済ウォッチ~人民元の引き下げショック(前)

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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)

money_china 中国中央銀行である中国人民銀行は、先週数日間人民元の為替レートの切り下げを断行した。(11日に1.86%、12日に1.62%、13日に1.11%)この影響で、アメリカをはじめ、ヨーロッパ、アジアの株式市場に激震が走った。中国人民銀行は、11日に基準値の算出方法を改定し、一気に1.86%も元安にしたのに、その後、引き続き大幅な切り下げを断行し、3日間だけで4.66%の人民元の切り下げをしている。

 人民銀行が今回改訂した算出方法は、基準値の算出を前日の市場での終値を参考にするものである。この新しい算出方法は、市場レートが為替により反映しやすくなるとのことだ。中国経済の減速が噂されているなかで、人民銀行が行った今回の切り下げは一過性なのか、それとも今後もう少し続くのか、市場は鋭意に注視している。
 それでは今回は、世界の金融市場にショックを与えている中国人民元の切り下げの背景と原因、それから今後、中国政府はどのような政策をとるのかを考えてみたい。

 1949年に誕生した中国の人民元は、基本的に「固定相場制」を採用している。しかし、中国の人民元は、その間状況によって、何度か米ドルとの為替レートを変更している。一般人にはあまり知られていないが、73年までは人民元は1ドル=2.46元で、為替レートは固定されていた。その後、人民元は通貨バスケット制へ為替制度がシフトし、1ドル=1.5元まで切り上げされる時期もあった。
 しかし、80年になってから中国の人民元は、切り下げを繰り返した。そのなかで、とくに大幅の切り下げがあったのは94年1月で、1ドル=5.72元から一気に8.28元へと、約30%も切り下げが実施された。
 そしてその後の推移は、どちらかというと切り上げである。人民元は2005年7月からドルペッグから管理フロート制へと変更され、当時の8.27元から6.33元まで、切り上げられた。このように中国政府は、為替レートを恣意的にコントロールしてきた歴史がある。現在の人民元は、実態より相当安くなっていて、もっと切り上げるべきであるというのが専門家の一致した意見であるが、中国の政府は現実に反して今回、為替レートの切り下げを実施したことになる。

(つづく)

 
(後)

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