台湾総統選に新たな立候補者
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与党・国民党の洪秀柱氏と、野党・民進党の蔡英文氏の女性候補2人の事実上の「一騎打ち」と見られていた来年1月の総統選に、新たな立候補者が登場した。参戦を表明したのは、野党・親民党の宋楚瑜氏だ。宋楚瑜氏はかつて国民党の有力者で、国民からの知名度は高い。
宋氏は中国湖南省出身の外省人で、戦後、国民党政府の台湾撤退で、家族とともに台湾に移り住んだ。長年、国民党の有力者として君臨。2000年総統選への立候補を表明したことにより、国民党籍を剥奪された。その選挙では、陳水扁氏(民進党)、連戦氏(国民党)と激しい選挙戦を繰り広げたが、陳氏(39.3%)に僅差で敗戦(37.8%)した。2004年には、国民党主席の連戦氏と組み、副総統候補として出馬したが、僅差で落選。2012年総統選にも出馬したが馬英九氏に惨敗した(馬氏51.6%、宋氏2.7%)。
今回、女性同士の一騎打ちの様相が高まり、海外メディアからの注目も高まるなかで、「有力な泡沫候補」とも揶揄される宋氏の出馬は波紋を広げている。「宋氏は洪氏よりも知名度があるため、今回は案外『男性支持票』が集まり取れるかも」という声や「また出てきた」「単なる目立ちたがり」という声など、賛否両論巻き起こっている。
台湾メディア関係者は「負け続けている宋氏には、敗戦し続ける者への一定の同情票も入るのではないか。現時点での調査では、蔡英文の支持率が約36%、洪秀柱氏が26%、宋楚瑜氏が15%前後。宋氏が当選する可能性は低いが、『宋氏への票の流れ方』によっては、蔡氏と洪氏の選挙戦に影響を与えるのは間違いない」と見ている。
【杉本 尚丈】
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