台湾への牽制?中国が音楽統制
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中国文化部は、若者を市場ターゲットにした楽曲120曲の販売や放送、配信等を禁止する処分を通告した。中国文化省が公表したブラックリストには、台湾歌手の楽曲も含まれる。中高生など若者にファンを持つ国内グループの持ち歌が多数を占めている。台湾メディア関係者は「曲リストから見れば、若者ターゲットの大陸歌手のヒップホップが多いが、ポイントは『台湾歌手』が含まれているということだ。台湾と中国は別なのに、大陸側が台湾歌手の曲を取り締まること自体がおかしい。逆に大陸としては、今回の規制で『中国で台湾の歌を禁じている』『台湾は中国の一部』というのを海外にアピールする狙いもあるのではないか」と話す。
「社会への不満や批判」「暴力の肯定」「性表現」「下品な言葉」というのが統制の基準となっている。ブラックリストに挙げられた楽曲は、今後、放送やネットを通じた流通が禁じられるほか、ダウンロードしただけでも処罰の対象となり、カラオケ店もこれらの曲を使用した場合は、処分されるという。前述の台湾メディア関係者は「規制の対象となった曲はメジャーな歌手や曲ではなく、特に国を挙げて規制するほどの影響力を持っていない。しかし、今回の規制はニュースとして海外に報じられることも大陸側は想定内で、そのなかで『台湾は中国の一部』というのを潜り込ませるのが真の狙いだろう。規制の対象となった大陸若手の曲はネタに使われただけ」と推測している。
日本でも過去に表現規制、発売禁止などの処理がされた時代があった。しかし、昨今では、こういった処置以前に、レコード会社等が「表現が強く、問題視されそうな作品」に事前に待ったをかける傾向があり、表沙汰になるケースが少ない。行政が出てくることもほとんどない。そうしたなかで、かつてのおニャン子クラブのヒット曲「セーラー服を脱がさないで」のように、露骨に性的意味が表現されている曲でも、規制によって止めきれず、現在でも問題なく流通できる日本の状況こそ問題視されることがある。
中国では、日本で放送されているアニメ作品に関しても、「性的表現が露骨」として放送禁止のブラックリストに挙げることもあるという。
【杉本 尚丈】
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