減塩で日本人の健康を守れるのか(1)
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最近、スーパーのお総菜やお弁当コーナーでは「減塩」の文字が大きく目立つ。調味料やいろいろな食品に関しても、減塩がブームだ。
2015年4月1日より、厚生労働省が生活習慣病の予防を目的とした推奨塩分摂取量を発表した。1日の食塩摂取量は、健康な成人男子の場合8.0g未満(2010年:9.0g)、成人女子の場合は7.0g未満(同:7.5g)が目標量になった。
生活習慣病とは、食生活や運動、睡眠、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣を長年にわたって不適切に積み重ねた結果、発症する病気のことを指す。三大疾病のガン、心疾患、脳血管疾患に加え、糖尿病、高血圧疾患、肝硬変、慢性腎不全という七大生活習慣病がある。1950年代、40~60歳の働き盛りにガンや心疾患、脳血管疾患で死亡する人が急増し、成人病という言葉が当時の厚生省より使われるようになった。1952年からは、国民栄養調査が実施され、1956年には血圧測定が開始されている。1979年の『国民栄養の現状レポート』では、「食塩の摂取状況」の項目が追加され、「食塩の取り過ぎが高血圧及び心疾患などの循環器疾患に対して悪影響を及ぼす一要因となることが明らかにされたこともあり、『昭和54年改定日本人の栄養所要量』では15歳以上の男女について、食塩1日10g以下を望ましいとする適正摂取量が示された」とある。この時、初めて国民の食塩摂取量について分析されており、1日当たりの摂取量は全国平均13.1gとなっている。
国が減塩指導をはじめて少なくとも30年以上は経つにもかかわらず、高血圧の患者が減ってはいない。この現実は『減塩』のおかしさを物語ってはいないだろうか。本当に減塩することによって生活習慣病の予防になるのか、塩について考察を続けたい。
(つづく)
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