2024年09月02日( 月 )

日銀が金融緩和策を一部修正~円相場大幅上昇・株価大幅下落

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 日銀は、19日から今日までの2日間、金融政策を決める会合を開き、今の大規模な金融緩和策を一部修正することを決めた。日銀は今まで、「プラスマイナス0.25%程度」の変動幅で推移するよう調節するとしてきた長期金利の変動幅を「プラスマイナス0.5%程度」に変更した。

 これによって日銀は、これまでより金利の上昇を許容することとなるため、外国為替市場では事実上金融引き締めにあたるという受け止めが広がり円高ドル安が加速、円相場は前日比4円以上値上がりし、133円台前半の値を付け、4カ月ぶりの円高水準となった。

・2022年12月20日午後3時25分時点の円相場は132.86円~132.87円

 また日銀の金融緩和策を受けて、20日の債券市場では日本国債が売られ、長期金利の代表的な指標となっている10年もの国債の利回りは、一時、0.460%まで上昇。2015年7月以来、およそ7年ぶりの水準となった。

 日経平均株価は【表1】の通り、前日比▲669.61円の2万6,568円03銭(同比-24.6%)と大幅に下落。一時800円超の下げとなったものの、【表2】の通り、日銀の金利引き上げを受けて、九州地銀の株価は大幅な上昇となった。前日まで22年3月末比マイナスだった大分銀行もプラスとなり、7行全行がプラスに転じている。

 欧米の中央銀行はインフレを抑えるため利上げを続けていたが、日銀が今回、長期金利の上限を0.5%程度まで変動幅を拡大することを表明したことに対して、ある市場関係者は「市場が金融政策の修正を催促する前に効果的なタイミングを狙い、利上げに踏み切ったのでは」と話す。

【表1】2022年12月の日経平均株価推移表
【表1】2022年12月の日経平均株価推移表
【表2】2022年12月の九州地銀7行(FG・FH含む)株価推移表
【表2】2022年12月の九州地銀7行(FG・FH含む)株価推移表

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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