【県知事年頭所感】九州のリーダー県として 福岡県をさらなる飛躍・発展へと導きます
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福岡県知事 服部 誠太郎 氏
新年あけましておめでとうございます。
昨年は、新型コロナ株の爆発的感染拡大、ロシアのウクライナ軍事侵略、急激な円安など予測困難な事象によって、私たちの生活、社会経済の足元を心配しなければなりませんでした。これに対し、県では、中小企業や農林水産業者の皆さまの事業継続支援に全力を挙げるとともに、今後も起こり得るさまざまな情勢変化に対し、しなやかに対応できる、強い産業経済構造をつくることを目指して取り組みを進めてまいりました。
また、ワンヘルスの取り組みが大きく前進した記念すべき年となりました。11月のアジア獣医師会連合(FAVA)大会には国内外から多くの方が参加され、同時に開催した国際フォーラムと合わせて、本県のワンヘルスに関する先進的な取り組みを国内外に広く発信できました。
今年も、もちろん、県民の皆さまの命と健康を守ることを最優先に取り組んでまいります。同時に、下を向かず、前を向き、世界を見て、福岡県の未来を思い描き、成長・発展の歩みをさらに一歩前に進める年にしたいと思います。今年の干支は「卯」です。大きな耳を立てて、情報をしっかりとらえ、ウサギが跳躍するように、福岡県を飛躍させてまいります。
① 「次代を担う『人財』の育成」
福岡県の成長・発展のためには、未来を切り拓く「人財」が必要です。ICTを活用し、子どもたちにハイレベルな「学び」の機会を提供します。青少年を健全に育成するための取り組みを見直し、充実するとともに、地域の未来を担うリーダーを育てます。また、留学、スポーツ、スタートアップなど、失敗を恐れずに夢に向かってチャレンジする若者を応援します。
中小企業のDXの中核となる人材、最先端の半導体技術を身に付けた人材、経営感覚に優れた農業人材など、本県の産業を支え、成長させる人材を育てます。
②「世界から選ばれる福岡県の実現」
福岡空港の滑走路増設を着実に進めるとともに、北九州空港の滑走路延長、下関北九州道路の早期実現を目指します。
苅田港に整備した新松山臨海工業団地に加え、直方・鞍手工業用地、さらには、市町村と連携した産業団地の造成を進め、国内外からの戦略的な企業誘致に取り組みます。TSMCの九州進出を大きなチャンスと捉え、成長が期待されるグリーンデバイスの開発・生産拠点の形成を目指します。国際金融機能の集積を目指す産学官の推進組織「TEAM FUKUOKA」の取り組みにより、香港の資産運用会社やシンガポールのFinTech企業などの誘致も進んでいます。引き続き、チーム一丸となって取り組みます。
③ 「成長産業の育成」
コロナ禍でも、ピンチをチャンスに変え、将来への発展の種をまき、芽を育てることが重要です。
九大発バイオベンチャーの資金調達など事業拡大の成功事例が誕生しています。また、九大発宇宙ベンチャーと県内中小企業が挑戦する小型衛星の打ち上げおよび衛星コンステレーションの構築は、防衛や防災での活用が期待されています。
こうしたバイオ、宇宙ビジネスのほか、カーボンニュートラルのキーテクノロジーとなる水素、自動車などを、未来を切り拓く産業に成長させます。④「ワンヘルスの推進」
ワンヘルスの事業者登録や農林水産物認証、ワンヘルスの森などを通じて、県民や事業者におけるワンヘルスの実践を促進するとともに、本県に設置されるFAVAワンヘルス福岡オフィスと連携して、アジア、そして世界のワンヘルスの推進に貢献し、世界的先進地を目指します。
地方創生の基本である、住み慣れたところで「働く」、長く元気に「暮らす」、安心して子どもを産み「育てる」ことができる地域社会づくりにも引き続き取り組みます。
「働く」では、新たなイノベーションを起こすスタートアップを創出するとともに、中小企業の生産性向上や事業展開・承継を支援します。また、本格販売開始から20年を迎えた「あまおう」や、「八女茶」をはじめとする県産農林水産物のブランド力の強化や輸出促進に力を入れます。
「暮らす」では、スポーツや文化芸術の振興、ジェンダー平等、障がいのある方の自立と社会参加の促進のほか、性的少数者の方が安心して生活できるよう「パートナーシップ宣誓制度」の充実などにより、誰もがあらゆる分野でその能力を存分に発揮できる社会づくりを進めます。飲酒運転撲滅や性暴力根絶、ニセ電話詐欺被害の防止など、暮らしの安全・安心を確保します。また、脱炭素化の取り組みを進め、グリーン社会の実現を目指します。
「育てる」では、出会い、結婚、出産、子育て、仕事の各ライフステージでの切れ目ない支援や、児童虐待防止、子どもの居場所づくりなど、国におけるこども家庭庁の発足を踏まえ、子どもを真ん中においた総合的かつ一体的な対策を進めていきます。
平成29(2017)年九州北部豪雨で甚大な被害を被った日田彦山線が、今年夏「BRTひこぼしライン」として復旧・開業されます。引き続き、被災地の復興・復旧に全力を挙げるとともに、激甚化・頻発化する自然災害に備え、防災・減災対策、県土強靭化に取り組みます。
昨年10月の水際対策の大幅な緩和による、インバウンドをはじめとする観光需要の本格的な回復を見据え、積極的な誘客を図っていきます。
10月にはいよいよ、国際サイクルレース「ツール・ド・九州2023」が福岡県、熊本県、大分県を舞台に開催されます。北九州市、豪雨災害の被災地、大牟田市といった県内を縦断するコースを選手たちが走り抜けます。これを機に、サイクリングが盛んな台湾、ヨーロッパをはじめ、国内外から多くの人を呼び込みます。
令和6(2024)年春には、大分県と合同で、国内最大級の観光キャンペーン「JRデスティネーションキャンペーン」も行われます。新たな観光エリアの創出などにより、観光産業の復興・振興を図ります。
このようにして、県民の皆様と手を携えて未来への扉を開き、九州のリーダー県として、福岡県をさらなる飛躍と発展へと導きます。誰もが安心して、たくさんの笑顔で暮らせる福岡県にしてまいります。
新年が皆さまにとって、すばらしい1年となりますよう心からお祈りいたします。
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