2024年12月26日( 木 )

ビットコインバブルが弾ける!バブル崩壊後、不況が来る(前)

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 2017年は「仮想通貨元年」と呼ばれる。これまで中国の投資家が中心だったインターネット上の仮想通貨ビットコイン(BTC)取引に、2017年から日本勢が雪崩を打って参入してきた。その背景には、仮想通貨を決済手段として認める法律の施行や、有名企業がビットコインで支払いを受け取るようになったことがある。新奇性が高い金融商品に、投機資金が流入してくるのは世の常。早くから「ビットコインバブル」と指摘されていたが、いよいよバブル崩壊の時を迎えたようだ。

最高値を更新続ける仮想通貨ビットコイン

 ロイター通信は10月20日、〈仮想通貨ビットコインが、初めて6,000ドルを突破した。ビットコインは年初来6倍超の値上がり。今後、1万ドル超に向う可能性がある。市場の時価総額は1,000億ドル(約11兆円)に膨らんだ〉と報じた。

 仮想通貨を使った新たな資金集めの手法ICO(イニシャル・コイン・オファリング)が、世界的に広がっている。従来の株式上場などに比べて素早い資金調達が可能となるからだ。

 仮想通貨を使ったICOの仕組みはこうだ。新たな事業・サービスを展開したい企業や個人は、ビットコインやイーサリアムといった流通量の多い仮想通貨での出資を投資家に募り、トークンと呼ばれる独自の仮想通貨を発行する。集めたビットコインなどの仮想通貨は売却し、米ドルや日本円などに換金して事業資金に充てる。

 投資家は、トークンを支払いに使え、普通株式同様に配当を受け取れる。取引所で売買できるので、将来の値上がり益が期待できる。お目当ては、何倍もの投資利益を稼ぐことだ。半面、計画倒れで、トークンがただの紙切れになるリスクはある。

 「仮想通貨に投資すれば儲かる」。個人投資家が殺到した。ビットコインが年初来6倍超の値上がり。ビットコイン長者が何人も誕生した。

 AFP通信は10月20日、〈オランダのとある一家が会社や自宅、車2台、バイク1台などほぼ全ての財産を売り払い、そのお金をビットコインに投資した〉と報じた。

 あまりの過熱ぶりに各国は規制に乗り出した。中国は9月、ICOを全面禁止にした。米商品先物取引委員会は仮想通貨を使ったICOの規制に乗り出すとの観測が出ている。

モルガン・チェースのCEO バブルに警告も

 ビットコインバブルに警告を発した金融マンがいる。

 ブルームバーグ通信は9月12日、〈投資銀行JPモルガン・チェースのダイモン最高経営責任者(CEO)はニューヨークの投資会議で、ビットコインは「良い終わり方はしないだろう」と述べ、バブルが弾けると予言。「これは詐欺」であり、最古のバブルと言われる17世紀のオランダの「チューリップ球根より悪い」と指摘した。同行のトレーダーが仮想通貨ビットコインの取引を行ったとしたら解雇すると言明した。〉と報じた。

 だが、熱病に取り憑かれているときには、忠告には耳を傾けないのがバブル投機の特徴だ。米国ではビットコインの価格は1万ドルを突破すると盛り上がっているのである。

(つづく)

 
(後)

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