浜田和幸ら「羽ばたく想像と創造の世界」日中アート交流展開催(前)
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「日中アート交流展-羽ばたく想像と創造の世界-」が17日まで中国文化センター(東京都港区)で開催されている。日中両国で活躍する廣開氏と浜田和幸氏、および両氏と交流が深い3名のアーティストである画家の金顕芝氏、画家の浜田由美子氏、現代アーティスト作家の山田ゆかり氏による「羽ばたく想像と創造の世界」をテーマにした作品が展示されている。
次世代の発想が生まれる場所に
「日本にとって中国は長い交流の歴史がある国です。経済や文化も持ちつ持たれつであり、中国から日本に渡来した漢字の原点に遡ることで、著書のエッセンスを創作漢字1 文字で表現した作品が生まれました。日中関係をどう築いていくかが課題となっていますが、政治的な問題を超えていく力が文化には秘められています」と創作漢字の作品を出展している国際政治経済学者の浜田和幸氏は語る。
中国と日本で使われている共通の文化である漢字。浜田氏は今まで70冊の本を執筆してきたが、新たな挑戦として、本のなかで最も訴えたいことを1文字の創作漢字で表している。『快人エジソン』の著書のエッセンスとして、「耳」と「心」を組み合わせた創作漢字を制作。耳が不自由だったエジソンが、心の耳を研ぎ澄ませて発明を生み出したことを表現した。
「経済や技術における世界の覇権をどの国が握るかという問題から、米国や欧州の国々は中国に厳しい姿勢を取っています。しかし、日本は欧米の姿勢とは一線を画して、世界的にも影響力の大きい中国との関係を改善し、強化していくことが求められています。日本は柔軟な発想をもって中国と向き合うことが必要です」(浜田氏)。
漢字は1つの文字そのものが意味をもつ表意文字であり、発音を表す表音文字のアルファベットとは異なり、その現象を一目で感じられる力がある。本展覧会が、日本のこれからの時代にふさわしい発想が生まれる場になることを期待しているという。
「文化交流を通じて絵画や書などの文化・芸術と向き合い、じっくり鑑賞する時間を大切にしてほしいと感じています」(浜田氏)。さまざまな作品の前に立って、自分の五感にどう響き合うかと見つめることで、自分との対話につながる。
また、浜田氏は同展覧会の開幕式で、「米国も中国も『気球騒動』が話題になっていますが、米国と中国が緊張関係にあるなか、相手の立場に立って考える『想像力』が大切です。中国と日本は、見ただけでおおよその意味が分かる共通の文化である漢字があります。人や書、絵画との五感を通じた出会いから自分自身を再発見し、『想像』するとともに新たなもの生み出す『創造』の世界に羽ばたくきっかけになってほしいと感じます。輝くものを感じられる心は豊かな財産になります」と語った。
(つづく)
【石井 ゆかり】
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