東京圏への人口一極集中再び~22年住民基本台帳人口移動報告
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総務省がまとめた「住民基本台帳人口移動報告 2022年結果」によると、東京都の22年の転入超過数(転入者数から転出者数を差し引いた数)が3万8,023人(前年比約7倍増)となり、全国で最も多かったことが分かった。東京都の転入超過数は14~19年までの間には7~8万人台で推移していたが、コロナ禍により20年に3万1,125人、21年には5,433人にまで減少していた。
東京都特別区部(23区)では、前年の転出超過(同1万4,828人の転出増加)から緩やかな転入増加傾向が続いており、22年は転入超過(同2万1,420人の転入増加)に転じていた。こうしたことから、コロナ禍によるテレワークの普及にともない郊外へと向かっていた人口移動が、その収束に向かうなかで再び都心へとシフトチェンジ。東京圏への人口一極集中が再び進み始めたことがうかがえる。
3大都市圏(東京圏、名古屋圏、大阪圏)は全体で8万954人の転入超過となり、同1万5,081人の増加となっていた。このうち、東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)は9万9,519人の転入超過(同1万7,820人増)で、神奈川県は同2万7,564人増、埼玉県は同2万5,364人増となり、この1都2県は転入超過数が顕著に増えていた。
求められる国家戦略への取り組み強化
政府は「デジタル田園都市国家構想総合戦略」を打ち出し、そのなかで「2027年度に地方と東京圏との転入・転出を均衡」させることを目標の1つとして掲げている。しかし、人口の東京圏への一極集中が再び進みつつあることで、その実現に向けて一層の対策と取り組みの強化が求められる。
一方で、名古屋圏(愛知県・滋賀県・岐阜県)と大阪圏(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県)は転出超過。名古屋圏は22年に1万6,218人(同5,304人の転出増加)、大阪圏も2,347人(同2,565人の転出増加)となっていた。名古屋圏のうち愛知県は転出超過数が7,910人となった一方、大阪府では転入超過数が6,539人となっていた。
転入超過となったのは11都府県で、このうち宮城県は7年ぶりに転出超過から転入超過へ転じた。このほか、福岡県が転入超過4,869人増で、東京圏と大阪府以外で最も多く増えていた。
【田中 直輝】
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