【SIC】財務面の立て直しが課題

IB情報誌ＳＩＣ 2813号

2023年3月2日 13:00

久留米を拠点に、福岡県内でフィットネスクラブを運営するエスタ（株）。2022年3月期は2億1,869万円の大幅最終赤字となり、債務超過額が拡大している。

福岡県内で事業を展開

　エスタ（株）は2006年4月に親会社である高橋（株）のスポーツクラブ事業部を分社化し、100％子会社として設立された。福岡県内で、プールやテニスコートなどを備えるスポーツジム「Esta（エスタ）」を3店舗運営するほか、Estaの施設にスパの機能を追加した「ESTA QUALIA（エスタクオリア）」を1店舗、ロウリュ・ホットヨガを行う「LUONTO（ルウォント）」を1店舗運営している。地域密着型の運営を行い、19年3月期には15億1,895万円の売上高を計上していた。

大幅最終赤字を計上

　21年3月期は、コロナ禍の影響を受け、大幅減収減益となった。22年3月期も、粗利段階から赤字を計上、さらに7,702万円の固定資産売却損を計上しており、2億1,869万円の最終赤字、債務超過額は5億1,213万円まで膨らんだ。財務面では固定資産売却により総資産が3億15万円まで減少、長短合わせた借入額も3,300万円増加し、借入依存度も229％まで上昇した。また流動比率が64.9％から25.7％、当座比率は42.5％から17.4％まで急激に落ち込み、財務面の毀損が進んでいる。

　前期より不採算店舗の閉鎖や、ターゲットの刷新などの対策を講じている。その一方、親会社の高橋も22年3月期で赤字決算となっており、アフターコロナに向けてどのように顧客の増加を図っていくかが課題となる。

【立野】

BS&PL