【観光客増加による明暗(1)】金持ちツアーを掴め
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18日(土)、19日(日)、取材でソウルに飛んだ。行き返りの大韓航空の混雑度は約80%といったところで、そのうちの約90%が韓国人観光客である。
福岡空港には19日午後0時15分に到達。本題はここからである。タクシーに乗ったところ、運転手さんが外国人観光客に感謝の意を示す。「ありがたいことです。海外のお客さんがお金を落としてくれるので助かります」と語る。こちらは「この話はまだ続くな」と読んでいた。
13泊で75万円の稼ぎ
すると、この運転手さんが「明後日から九州の温泉巡りでお客さんを案内してまわります」と語る。「来た、来た!」と直感した。話の内容は次の通り。
シンガポールの金持ち夫婦が有名な温泉に13泊する。運転手さんはその間、夫婦に帯同して案内していくため、コースについてかなり勉強して、精通するようになった。1日の走行距離は150㎞くらいである。運転手さんは「ラクチンな仕事です」と漏らす。
要は毎日、午前8時頃スタートして夕方5時前後に宿泊するホテルに到着する。翌朝までは自由時間。運転手さんも入浴を楽しむことができるし、一杯飲むことさえできる。
この運転手さんは九州の著名な温泉地を大方、知り尽くしたという。稼ぎはおよそ75万円なり。
わずかな乗車時間のなかでもこの運転手さんの人柄を推測することができた。(1)誠実でサービス精神に富んでいる、(2)融通がききそうである、(3)物知りで、話題が豊富のようだ、(4)英会話にも通じている。2週間も共にするのだから明朗でないとお客さんから嫌われる。仕事を発注する旅行会社の審査も厳しいだろうか、それをパスできる人物ということだ。
富裕層向けツアーの本格化
このツアーについて調べてみた。どうやら夫婦の宿泊予算は1泊で最低20万円、13泊で260万円と思われる。タクシーのガイドが75万円というが、旅行会社が抜くのも換算すると120万円とカウントする必要があるだろう。そうすると九州内で直接380万円落とす勘定となる。
このような夫婦がシンガポールにどのくらい存在しているのか。おそらく1万組はいるのではないか!市場規模は380億円と換算される。
このクラスのリッチ層はシンガポールだけにいるのではない。各新興国においても増えており、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナムなどに続々と現れている。一般人の海外旅行需要をターゲットするのではなく、こういった富裕層対象のツアーに絞った戦略が必要になってきたのではないか!と考えさせられる。
現在、高級ホテルほど予約が取りづらいのだとか。ベトナム学生の集団旅行の際、ホテルがとれず、ようやく朝倉市で部屋をおさえることができたという話も耳にする。まさしくインバウンド高騰期間近。
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