2024年11月22日( 金 )

【福岡市議選】前回上回る97人が立候補を予定

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 福岡市議会議員選挙の告示(31日)まで数日となった。投開票は4月9日。早朝や夕刻など、市内各地の交差点や駅前などで、立候補予定者が辻立ちをして挨拶をする光景が連日のように見られる。

 7つの選挙区の議員定数は計62議席。東区12、博多区9、中央区7、南区11、城南区6、早良区9、西区8。先月28日に開かれた説明会には、97の陣営から関係者などが参加していた。97人が立候補するとなると、前回2019年の立候補数89人より8人多い。

 そのうち、現職48人、前議員5人、新人44人が立候補を予定している。自民党では元議長の小畠久弥氏や森英鷹氏、福岡令和会の国分徳彦氏、現職最多の11期を務めた高山博光氏など正副議長経験者や会派代表を務めたベテランを含む10人の現職が引退する。

 政党・政治団体別の公認立候補予定は、自民党21人、立憲民主党12人、日本維新の会8人、公明党12人、共産党7人、国民民主4人、れいわ新選組1人、参政党3人、市民ネットワーク福岡2人、ふくおか市民政治ネットワーク1人、諸派1人。残り25人は無所属の見通しだ。男女別でみると、男性が71人、女性は過去最多の26人となる見込み。

 約160万人と九州最多の人口を誇る福岡市は、九州各県から若い世代が集まってくる。発展をとげ全国的に注目を集める都市となったが、一方で地域交通や教育、子育てなど暮らしにかかわる課題は多い。現時点での7つの選挙区情勢と福岡市議選立候補予定者を紹介する。

東区(定数12)

 候補者は現職10人、前議員2人、新人5人で全区のなかで最も多い。元議長・森氏が引退する自民党は、3人を公認し、無所属の現職1人を推薦した。公明党は3議席を死守することを目指している。野党系では、前回自民党の推薦を受けていた前議員が、れいわ新選組から福岡市議会で初の議席獲得を目指す。21年にふくおか市民政治ネットワークを脱退し、市民ネットワーク福岡を発足させた現職が3期目を目指している。参政党は、元小学校教諭の新人が教育問題や食の安全を訴え、議席獲得を狙う。

博多区(定数9)

 現職6人、前議員1人、新人8人が予定している。自民党は、10期目を目指す現職含む4人を公認。昨年、元衆議院議員の名前をかたり、旧統一教会との関係を明示したビラを配布した問題で辞職した前議員も無所属で立候補する。ビラの被害を受けた同元議員は今回、参政党から挑戦する。

中央区(定数7)

 現職5人、全議員1人、新人7人が挑む激戦の様相。立候補予定者の13人のうち6人が女性で、全区で最も多い。自民党の現職2人は高島宗一郎市長の支援を受ける予定で、地域や職能団体回りを展開している。旧民主党系が3人で、立憲から2人、国民民主から1人となっている。昨年の市長選に立候補した前議員も再挑戦する。前回最年少で立候補した無所属の女性は、教育や地元の町内会活動などを通じた取り組みを街頭で訴えるなど、かなり活発な論戦が展開されるとみられる。

南区(定数11)

 現職10人、前議員1人、新人5人の争いとなる見通し。福岡令和会は国分氏が引退するものの後継者は立てない。国分氏を支援してきた保守票が参政党や無所属の元職など誰に向かうのか注目される。野党系は、国民民主党所属で民間労組の支援を受ける現職が、今回無所属で3期目を目指す。立憲民主党も、現職と新人それぞれ1人ずつ擁立。連合のもつ労働組合票がどのようにわかれるのか気になるところである。

城南区(定数6)

 現職最多の11期を務めた高山氏(元自民党、現無所属)が引退する。現職5人と新人6人による激戦となる模様。自民党は現職2人を公認しているが、高島市政に共に批判的であり、元民放記者の現職は支援者と自転車で区内全域を回るなど支持者獲得に動いている。立憲民主党は現職と新人を公認し党勢拡大を目指している。ふくおか市民政治ネットワークは07年以来の城南区での議席獲得を目指している。

早良区(定数9)

 ベテランの黒子秀勇樹氏(公明党)と荒木龍昇氏(ふくおか緑の党)が引退する。それぞれ後継候補が議席死守を目指している。自民党は現職4人を公認。互いに競い合っている。共産党は、党市議団団長を務める現職が6期目を目指して、各地域で市政報告会を開催するなど議席死守を目指す。

西区(定数8)

 現職5人と新人は7人が予定している。自民党は、ベテランの小畠久弥、冨永計久両氏が引退する。立憲民主党は現職と新人の計2人を立てる。元小学校教諭で5期目を目指す現職は社民党から推薦を受け、街頭活動や市政報告会などを区内各所で行っている。生活困窮家庭の子どもを支援する無料学習などに取り組む無所属新人も議席獲得を目指している。

【近藤 将勝】

福岡市議選立候補予定者

 立候補予定者名、政党および政治団体・地域政党名、現職・元職・新人、現職および元職は期数を明記(順番は市議会の各会派の勢力順、現職(当選回数順)・元職(当選回数順)・新人の順、五十音順)。

東区(定数12)

川上晋平(51)自民 現 6期
今林秀明(62)自民 現 4期
崎村哲士(52)自民 新
山口剛司(64)公明 現 5期
尾花信吾(59)公明 現 4期
勝山信吾(48)公明 現 1期
築地原陽子(41)立憲 現 1期 
綿貫康代(52)共産 新
阿部正剛(60)維新 元 3期
木村哲晃(45)維新 新 
冨永正博(44)れいわ 元 1期
重松雄子(64)参政 新
森 文子(57)ネット福岡 現 2期
藤本顕憲(78)無所属 現 7期
落石俊則(67)無所属 現 3期
藤野哲司(41)無所属 現 1期
亀崎弘記(58)無所属 新

博多区(定数9)

川口 浩(62)自民 現 9期
福田 衛(51)自民 現 4期
鬼塚昌宏(50)自民 現 2期
南原鉄平(40)自民 新
古川清文(54)公明 現 3期
田之頭知行(46)公明 新
山田由美子(54)立憲 現 1期
野田陽志(46)国民 新
木村拓史(36)共産 新
和田亮彦(34)維新 新
新開裕司(54)参政 新
浜崎太郎(56)無所属 現 3期
堀本和歌子(41)無所属 元 1期
迫 剛志(38)無所属 新
山下秦史(39)無所属 新

中央区(定数7)

稲員稔夫(49)自民 現 2期
堤田 寛(61)自民 現 2期
田原香代子(44)公明 新
田中慎介(44)立憲 元 4期
一瀬実来(36)立憲 新
弓 洋子(52)国民 新
松尾律子(50)共産 現 1期
阿部秀樹(28)維新 新
沖園理恵(48)ネット福岡 新
橋田和義(52)無所属 現 3期
中島正裕(61)無所属 現 2期
浅香咲良(29)無所属 新
高椋義彦(48)無所属 新

南区(定数11)

伊藤嘉人(62)自民 現 5期
打越基安(68)自民 現 5期
川上陽平(46)自民 現 3期
大石修二(62)公明 現 7期
松野 隆(60)公明 現 4期
成瀬穫美(53)立憲 現 1期
小竹理香(50)立憲 新
堀内徹夫(60)共産 現 2期
大沢 愛(33)維新 新
坂井知樹(48)参政 新
飯盛利康(45)無所属 現 4期
近藤里美(51)無所属 現 2期
新村 優(42)無所属 現 2期
富永周行(48)無所属 元 2期
黒木鞠子(75)無所属 新 
本司敬宏(38)無所属 新

城南区(定数 6)

阿部真之介(58)自民 現 5期
調崇史(44) 自民 現 3期
篠原達也(63)公明 現 3期
井上麻衣(33)立憲 現 1期
貞末国宏(43)立憲 新
倉元達朗(55)共産 現 5期
瀬尾英昇司(47)維新 新
引地美穗子(54)市政ネ 新
坂口嘉政(30)無所属 新
佐藤優子(48)無所属 新
宮川一彦(57)無所属 新

早良区(定数 9)

平畑雅博(60)自民 現 5期
大原弥寿男(71)自民 現 3期
大森一馬(57)自民 現 3期
津田信太郎(48)自民 現 3期
高木勝利(59)公明 現 3期
石本優子(47)公明 新
宮浦寛 (57)立憲 現 1期
松本一郎(40)立憲 新
前野真実子(39)国民 新
中山郁美(63)共産 現 5期
橋口絵里奈(42)維新 新
本河知明(46)諸派 新
岩本壮一郎(42)無所属 新

西区(定数 8)

淀川幸二郎(41)自民 現 1期
小畠英達(40)自民 新
諸隈英文(47)自民 新
堤健太郎(42)公明 新
田中崇史(46)立憲 現 1期
勝見美代(57)立憲 新
松本怜子(28)国民 新
山口湧人(33)共産 現 1期
天野浩(36) 維新 現 2期
池田良子(71)無所属 現 4期
田口吾郎(45)無所属 新
西方俊司(52)無所属 新

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