熊本地震から7年、創造的復興を支える開発の連鎖
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本日、4月14日で熊本地震(2016年)から7年。熊本県は、「創造的復興(Build Back Better)」のスローガンのもと、完全復興に向けて、着実に前へと歩みを進めている。創造的復興には、重点的に取り組む10項目があり(下表参照)、県ではロードマップを作成、その進捗状況を共有している。
20年には国道57号現道部と自動車専用道路・国道57号北側復旧ルートが開通。翌21年には熊本のシンボル、熊本城の天守閣の復旧が完了した(全体の復旧完了は52年度を見込む)。今年に入ってからは、先月23日にオープンした阿蘇くまもと空港・新旅客ターミナルビルや、24日の益城町新庁舎の完成、28日に県道熊本高森線の一部区間が供用開始となった。
震災前より良いものを創る。完了したものを含め、重点10項目をマイルストーンに、創造的復興は県民もしっかりと体感できるかたちで、ゴールへと向かっている。
また、熊本市のまちづくり施策や民間事業者による開発の活発化も、復興する力強い熊本という、地域ブランド力の向上に一役買っている。
熊本市では、防災力の強化、新たな賑わい創出などを目的に「まちなか再生プロジェクト」を実施中。老朽化した建物の建替えを促進することで、耐震性、防火性を向上させると同時に、空地を生み出すことで、災害時の避難活動空間の確保や、賑わい創出の拠点づくりを目指している。市は目標として、20年4月1日~30年3月31日までの10年間で、100件の建替えを掲げている。
JR熊本駅ビルが21年にオープンしたほか、今年2月、JR熊本駅まで徒歩5分の場所にMJR熊本ザ・タワー(RC造地上30階建て、全230戸)が竣工した。今後も、JR熊本駅から徒歩7分の場所で、レーベン熊本駅レクシア(RC造地上15階建て、全167戸、24年4月竣工予定)や、NTT西日本桜町ビルの複合商業ビルへの建替え(開業時期検討中)などが控えている。
熊本市内を中心に活況を呈する再開発。一方で、菊陽町のTSMC工場の建設と、TSMCに関連する人の移動を見据えた、受け皿となる住宅整備も進んでおり、熊本県は今、復興特需に依らない、ダイナミックなまちづくりが進んでいる。
創造的復興と、それを下支えする開発の連鎖が、熊本を九州随一の“選ばれるまち”へと変えようとしている。▼合わせて読みたい
熊本TSMC進出の波紋とその衝撃(前)【代 源太朗】
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