2024年11月22日( 金 )

空港近接の丘陵地に新たなまち誕生へ 博多の森土地区画整理事業

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施行区域は約16.3ha

 福岡空港の東側に近接する丘陵地に整備された東平尾公園は、約86.3haという広大な敷地内に陸上競技場やベスト電器スタジアム(東平尾公園博多の森球技場)、屋内外20面を備えるテニス場などの大規模なスポーツ施設を有している総合公園である。同公園の愛称である「博多の森」が示すように、公園を含めた周辺一帯は博多区内では希少なまとまった緑のエリアであり、「博多の森」の名前は公園だけでなく、エリア一帯のことを指す名称としても認知されている。その「博多の森」の一角で、新たなまちづくりとなる「福岡市博多の森土地区画整理事業」がスタートする。

 同土地区画整理事業の施行区域は、志免町との境界に近い博多区青木2丁目および空港前5丁目にまたがり、博多の森テニスコートの北側に位置するエリア。用途地域は第1種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)で、施行後の面積は公共用地約3万450m2、宅地約5万7,700m2、保留地約7万5,200m2の計約16.3haとなっている。地区西側を走る市道空港前937号線の拡幅道路(幅員11.5m)と地区中央部に新設する区画道路(幅員13~14m)を骨格道路として配置し、幅員6mの区画道路を地区内の生活道路として適宜配置。施行地区内は、西側にエントランスゾーン(約1ha)、大正池や公園を含む水辺・交流ゾーン(約2ha)、エリア内中央部には施設誘致ゾーン(約2ha)、南側に緑の保全・再生ゾーン(約4ha)のほか、東側には200戸超の住宅ゾーン(約7ha)というゾーニングで整備されていく方針となっている。

 今年4月に福岡市博多の森土地区画整理組合の設立認可を福岡市から受け、4月30日には同組合の設立総会を開催。今後は、順当に行けば来年春に着工し、3~3年半程度の造成工事期間を経て、約5年後には新たなまちが出現する予定となっている。なお、同区画整理事業のコンサルティング業務は(株)URリンケージが、施工は松尾建設(株)が手がける予定。

 同エリアは、地下鉄・福岡空港駅まで徒歩圏内に位置し、中心市街地である博多や天神へのアクセスに優れているほか、前述のように緑の多い豊かな自然環境にも恵まれている。また、まだ検討段階ではあるものの、福岡市地下鉄・福岡空港駅とJR福北ゆたか線・長者原駅を結ぶルート上の新駅がすぐ近くに設置される構想もあり、将来的にさらに利便性が高くなる可能性もある。同土地区画整理事業による新たなまちの出現に期待したい。

【坂田 憲治】

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