『脊振の自然に魅せられて』金山登山祭を開催して(前)
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4月29日(祝)は例年、脊振山系山開きの日である。2014年から脊振山系道標設置完成記念行事として、早良区役所の協力のもと行ってきた。
第1回から第5回までは順調に開催できた。第6回は大雨で中止。その後、新型コロナ感染症の流行で中断せざるを得なかった。昨年(2022年)は、ようやく再開できると半年かけて準備したにもかかわらず、当日の天気は雨。天候の回復を期待して、臨時駐車場に用意した仮設トイレもぎりぎりまで待ったのだが。キャンセル期間を過ぎたため、必要経費として処理せざるを得なかった。
今年も昨年同様、半年前から準備にあたった。脊振の自然を愛する会、西南学院大学ワンダーフォーゲル部、SAGAアウトドアガイドクラブ、ヤマップ、そして早良区役所と協議を重ねた。
大切なのは、登山者が安全に金山山頂(967m)に登って来られるようにすることと、公共交通の便利が悪いので臨時駐車場を用意することである。金山への登山口は、福岡市方面、佐賀方面、三瀬峠方面、脊振山からの縦走コースと、いくつもある。メインは福岡市側の坊主が滝登山口と花乱の滝登山口である。この2カ所に臨時駐車場を用意した。
うち1つは元国民宿舎をリノベーションした「千石の郷」である。1回から5回までは建設会社の空き地を借りていたが、建設資材置き場となり利用不可となった。そこへ、いつもは多くの利用者で賑わっていた千石の郷が、新型コロナの影響で休業に。この施設が有する広い駐車場をお借りできたらとひらめいた。早良区役所経由で相談したところ、当日のみ利用許可を得た。お礼として、荒れていた駐車場の草刈りをすることにした。登山者に気持ちよく利用してもらいたいからである。草刈りには福岡市水源林ボランティアの会の有志が協力してくれた。また、当日の駐車場係も応援の申し出があった。
もう一方の花乱の滝登山口の臨時駐車場は、かつては焼き肉屋の駐車場だったが、近年未使用状態が続いている土地である。脊振の自然を愛する会の会員でもある市会議員の知人との縁で、イベントがあるときには無償でお借りしている。
登山地図アプリで知られる(株)ヤマップの協賛で、山開きから5月中に早良区エリアのピークを登ればアプリ上でデジタルバッチをプレゼントする企画も整えた。登山者のための保険加入も完了。そして開催の1週間前、筆者を含む会員3名で、登山道の安全点検と整備を行った。危険箇所のロープ補強、葛の除去、枯れ枝の処理などである。
山開き当日には毎年、記念タオルを配布している。前回まではタオルに年月日を入れていたが、雨で3回も中止になりタオルが無駄になってしまっていた。そこで今回、ヤマップからの提案も入れつつ、タオル配布のあり方を見直した。
ヤマップの提案とは、脊振山系の地元の協力店にスマートフォンで撮影した写真を見せれば記念タオルが貰えるというもの。ただ、この案は、一部の店だけに偏るのはよくないとして早良区役所の承諾を得られなかった。
それではタオルに年月日を入れず、開催ごとにタオルの色を変えたらどうかとの意見が出た。なるほど、それはいい!──協議メンバー全員が賛成した。高級の今治タオルにしてはとの意見もあったが、山で汗を拭くには今までつくってきタオルが一番よいとなった。タオルには「2020年の日本山岳遺産認定記念」「環境省自然歩道功労者表彰」と印刷した。
(つづく)
脊振の自然を愛する会
代表 池田友行関連キーワード
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