台湾元副総統が抗議の中、帰国
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抗日戦争勝利70年記念行事の軍事パレードへの出席、習近平国家主席との会談のため、中国・北京を訪れていた台湾元副総統の連戦(リエンザン)氏が3日夜、大陸への訪問を終え、台湾に帰国した。台湾桃園空港には、独立派の野党・台湾団結連盟の関係者ら約100人が集まり、「売国奴」などと反対の声を上げた。連戦氏は特別ゲートから入国手続を行ない、周囲との接触を避けたが、一般ゲートを利用した連戦氏の同伴者に対し、訪問反対を示す者が靴を投げつけるなどのトラブルが発生した。
また、野党・民進党所属の呂秀蓮元副総統は、連戦氏の北京訪問は外患罪に当たるとして検察に告発。外患罪とは、外国と共謀して自国に不利益をもたらす売国行為のこと。呂氏は、「連戦氏の北京記念パレード訪問は台湾の主権と尊厳を踏みにじった」と強く主張。参加した連戦氏夫妻の今後の出国に制限をかけるよう検察側への要請も行った。連戦氏側は「習近平氏との会談では、中華民国(台湾)の存在をアピールし、国益を優先させた」と反論している。
連戦氏の軍事パレード参加については、国民党の馬英九総統や、民進党の蔡英文主席が反対と遺憾の意を示しており、独立派はさらに過激に反応。ほぼ「四面楚歌」の状態となっている。台湾メディア関係者は「連戦氏は昔から国民のウケが良くない。その中で、連戦氏側にとって与野党からの反発は想定内。だからこそ『パフォーマンス』としての効果は大きい。また、中国共産党側にすり寄っておくことで、今後、連戦氏サイドにポストなどといった対価が用意される可能性もある」と話している。
台湾国防部は、北京軍事パレードを機に、中国大陸の台湾への侵攻を想定した空軍、海軍による本格的な演習を始めた。そして、その演習を馬英九総統が視察するなど緊張が高まっている。
【杉本 尚丈】
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