韓国経済ウォッチ~激化する3次元フラッシュメモリ開発競争(後)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
このような状況なので、市場では3次元NAND型フラッシュメモリの需要が伸びている。
市場調査機関であるアイサプライ社の調査によると、3次元NAND型フラッシュメモリは市場が急速に成長し、2017年には現在市場の97%を占めている平面TLC(Tri Level Cell/1つのセルに3ビットの情報保存が可能)NAND型フラッシュメモリを抜いて、市場シェアの41.2%を占めるようになると予測した。さらに、19年には市場の77.2%を3次元NAND型フラッシュメモリが占めるようになるという分析結果も出した。
また、もう1つの市場調査機関であるDRAM Exchangeによると、3次元NAND型フラッシュメモリの成長率は、半導体の平均成長率である35~40%より高くなることを予測している。このように、3次元NAND型フラッシュメモリの需要増加の第一要因は、原価競争力に起因している。TLCと48段積層技術を活用すると、1つのチップを32ギガバイトの容量にすることができる。すなわち、3次元製品は、価格的な面においても、需要が伸びることによって、既存の平面製品に比べてそれほど高くなくなっていることが市場で受け入れられているようだ。
それでは、3次元NAND型フラッシュメモリではサムスン電子が先行しているが、他のライバルはどのような状況になっているだろうか――。結論を先に言うと、このおいしい市場に他社も参入し、競争が激しくなりそうな様相を呈している。
現在、NAND型フラッシュメモリ分野では5位のSKハイニックスは、今後、3次元NAND型フラッシュメモリの市場が拡大することを見込んで、技術開発に力を入れている。7月25日に発表した46億ウォンの投資の重点部門の1つが、実は3次元NAND型フラッシュメモリの技術開発である。SKハイニックスは、世界のNAND型フラッシュメモリ市場で第2四半期では売上高で4位を記録している。SKハイニックスは今年の第3四半期中に36段の3次元NAND型フラッシュメモリの開発を完了し、今年中にTLC基盤の48段の3次元NAND型フラッシュメモリも開発を完了する計画である。さらに16年の量産化を目標にしている。
世界3位のマイクロン社は、TLC基盤の384ギガビット3次元NAND型フラッシュメモリをインテルと共同開発した。マイクロンの3次元NAND型フラッシュメモリはサムスン電子の積み上げ方式と違って、従来の平面のフローティングゲート(Floating Gate)技術を活用した。これによってインテルも、メモリ市場に参入することになる。詳細はまだ明らかではないが、今回の共同開発した製品は、業界に旋風を巻き起こす可能性があると囁かれている。メモリ市場では一番大きな市場になるだけに、一歩も譲れない熾烈な競争になりそうだ。世界4位のサンディスクと日本の東芝は、7月5日に共同開発した256ギガビット48段3次元NAND型フラッシュメモリを量産すると発表した。少量のサンプルなら提供できると言ってから4カ月しか時間が経過していないのに、量産計画を発表したのだ。東芝はサムスン電子を追い越すため、サンディスクと提携した。
今は、サムスン電子が3次元NAND型フラッシュメモリで先行しているが、上記で見てきたように、市場を取るための技術開発競争は激しさを増している。今後、大容量化が進むと、テラバイトのNAND型フラッシュメモリも数年以内に誕生すると言われているし、5年以内に市場も10倍くらいの成長が予想されるだけに、この市場から目が離せない。
(了)
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