福岡県とみやま市、ワンヘルスセンター整備に関する協定締結へ
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福岡県は28日、みやま市と「ワンヘルスセンター」の整備などに関する協定を7月5日に締結すると発表した。内容は、同市にあり県に譲渡される保健医療経営大学の跡地と建物の利用に関する事項。協定締結により、ワンヘルスについての研究施設や体験学習設備を設け、さらにみやま市の地域発展に貢献するものとするといった、同センターの基本的な方向性が決定する。
5日午前に県庁舎内で行われる締結式には、服部誠太郎知事、松嶋盛人市長のほか、藏内勇夫・九州の自立を考える会会長(県議会議員)、県・みやま市議会議長らが出席する。
協定締結を前に、県とみやま市が連携協力することとして以下の3点が挙げられている。
(1)福岡県は譲渡物件を最大限活用して、ワンヘルスセンターを整備するほかワンヘルスに関する事業を実施
(2)福岡県は、ワンヘルスセンターにワンヘルスについて学び、体験できる設備や、国内外の研究者が集う設備を整備することにより、みやま市の地域発展に寄与
(3)みやま市は、福岡県が行うワンヘルスセンターを実践拠点としたワンヘルスの推進に協力ワンヘルスは、「人と動物(家畜、愛玩、野生の別を問わずすべての動物)の健康と環境の健全性は、生態系のなかで相互に密接につながり、強く影響し合う1つのもの」という考え方。新型コロナウイルスや鳥インフルエンザの流行などもあり、近年、世界中で関心が高まっている分野だ。
日本では16年11月に、北九州市で世界31カ国から600人超の医師、獣医師らが参加した、「第2回世界獣医師会-世界医師会”One Health”に関する国際会議」が開催され、ワンヘルス実践の礎となる4つの項目からなる「福岡宣言」が採択されていた。
以降、県ではワンへルスの推進に取り組み、20年12月、県議会において、ワンヘルスの実践に関する条例として全国で初めとなる「福岡県ワンヘルス推進基本条例」が可決成立。21年)年1月に施行されている。
条例には「人獣共通感染症対策」「人と動物の共生社会づくり」など6つの課題について、取り組みの基本方針を定め、これを具体化するための実行計画を県が定めることなどが盛り込まれている。
センターはそうした経緯で設置されるもの。人の健康と環境の保全に関する機能をもつ「保健環境研究所」と、動物の保健衛生を一元的に担う「動物保健衛生所」との相互連携により、ワンヘルスに関する先進的な調査・研究や人材育成などを進める実践拠点となる計画だ。
【田中 直輝】
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