2024年12月22日( 日 )

提案ができる電気工事事業者 新体制で時代とニーズに沿う企画を立案する

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上内電気(株)

社長交代で新体制がスタート

 上内電気(株)は、1976年に設立して以来、福岡県内の公共事業を中心に、安全景観環境整備事業(道路照明事業、交通信号機事業)の設計施工を通して、地域社会に貢献し、高い評価を得てきた。道路照明や信号機の設置等工事は、福岡県警に指定業者として認定された業者のみが入札に参加できる分野だ。創業者である境泰二郎氏(現・取締役会長)はメーカーで営業として交通照明の物販をしていた経験なども活かし、地道に人脈や実績などを積み上げてきた。

特殊な道路照明にも対応する「REMOKA工法」
特殊な道路照明にも対応する
「REMOKA工法」

    高度成長期を経て、インフラ整備が進み道路工事が落ち着いた後、2000年ごろにLED化の波がやってきた。当然、信号機もLED仕様になり、数年のうちに高性能で省エネ、小型化したものに次々と更新された。同社はこれらの変化にいち早く対応して、REMOKA(リモカ)工法というオリジナルの技術を開発した。照明器具の外側部分(筐体)はリユースしつつ、内側の光源だけをLED化するという画期的な工法である。とくにバブル期に多くつくられたデザイン性の高い照明は、夜間を明るく照らす以外に都市空間のモニュメントとしてまちづくりの役割を担っていることもあり、この技術は大いに役立った。すべて新しく取り替えるより低コストなうえ、産業廃棄物の削減にもつながる。SDGsの観点から見ても重要な企業使命をはたしてきたといえる。

 22年11月、同社の新たな代表取締役社長に境公成氏が就任した。照明機材を扱う企業に営業職として入社後、福岡支店長を経て18年に上内電気に入社。「入社以来、ゼロからスタートする、という気持ちで頑張ってきました。電気工事を取り巻く状況は急速に変化しており、柔軟に対応していかなければと気を引き締めています。基本となる経営方針を守りつつ、展開していきたいです」と就任の決意を語る。これまでの経験を十分に活かしながら、令和の時代に合わせた事業を計画している。

時代に合わせた新しい挑戦

上内電気(株) 代表取締役社長 境 公成 氏
上内電気(株)
代表取締役社長 境 公成 氏

    「今や日本の道路はほぼ整備されて、新規の道路工事は減りました。LEDの普及で信号機も一度交換したら、次の交換工事は10年後、20年後になります。これからは安全景観環境整備事業の需要は減っていくでしょう。さらに公共工事の入札のスタイルも変わってきています。新しいことに挑戦しなければ、経営は成り立ちません」と、境社長は厳しい顔を見せる。

 照明関連では、主業である道路照明、交通信号機のほかに、舞台用照明(大濠公園能楽堂)、駅前シェルター照明(JR酒殿駅)、手摺・高欄間接照明(粕屋町・駕与丁公園、福岡城天守台)、施設LED更新(福岡市青果市場、粕屋町立図書館)などを、新たに受注してきた。また、無停電電源設備更新(福岡市営地下鉄貝塚駅)、非常用発電設備蓄電池更新(糸島市)、直流電源装置用蓄電池更新(篠栗町)、高圧気中負荷開閉器更新(福岡中・南年金事務所)なども手がけている。

 自動火災報知設備更新にも携わっている。自動火災報知器は、煙に反応して、データが周知され、スプリンクラーを出し、防火シャッターを閉め、警報鳴らして消防署へ通報するという一連の役目をもつ。「自動火災報知器については、人命に関わることなので何かあれば会社を潰すのではないか、というリスクがあります。しかし、リスクを避けるだけでは、企業の永続という未来はありません。メンテナンスはメーカーの分野とはいえ、我々も重要性を理解して受注・施工をしています」と境社長は語る。

 同社の強みは、長年の実績と企画提案力である。照明関連や自動火災報知設備、蓄電池等の新規開拓は、案件ごとに適切な企画立案をするというから驚きだ。これまでの実績はブランドとなり、他社との競争に有利に働くことはもちろん、初めて取引をする顧客とも信頼関係を構築しやすく、スムーズに進んでいくという。国の方針と要求でLEDをはじめとする電気関連の商品開発や技術の進歩は加速している。この急速な変化の波に乗り、より適切かつ効果的な企画提案を今後も続けていき、より高い価値を提供しようと努力を重ねている。

明るく前向きでやる気のある
社員募集中

社内の様子
社内の様子

    近年、採用にも力を入れている。施工管理ができる20~30代の確保が最優先だが、該当する人材は圧倒的に少ない。この世代は体力もあり、CADなども早く効率的に仕事ができることから、業界内では奪い合いとなっている貴重な存在だ。人が不足すれば時間外勤務も必要となるが、国策として働き方改革が推進されるなかでは難しい部分も多い。それでも、工期がある以上「できない」は通用しない。繁忙期である3月の年度末は、社員に負荷がかかり過ぎないようにバランスを取りつつ、責任を全うすべく工夫しているという。営業社員について、同社の事業は特殊分野で優位性が高く、実績を積み重ねやすい環境といえるだろう。女性社員は事務と営業補助を主としているが、必要な専門知識について実践を通じて一から学ぶ。経験、資格や性別を問わず、前向きに取り組める若いスタッフを募集している。

 電気工事業界は、業者数の増加で施工レベルが向上している。現状維持の仕事では衰退してくことは必然であり、新体制下で新事業の実績を積み、施工能力を上げながら元請比率および利益率を向上させられるよう、今まで以上に力を注ぐ方針だ。

 「我が社は提案できる電気工事事業者です。今後、5年10年先を見据えて、経験と実績を基に柔軟な企画を立てています。『さすが上内だ』といわれる仕事をして存在感を出していきたいです。公共工事を有利に進めるには、官公庁の事業評価が重要になってきますので、こちらも意識しています。経営スローガンにある『未知への勇気ある挑戦』『明るく、活力ある企業風土を目指す』『基本を忘れず常に礼儀をわきまえ、約束を守り、感謝の気持ちをもつ』という3つを忘れずに邁進します」と語る境社長。

 いつでもどこでも、新しい取り組みへの抵抗はある。新社長を先頭に、それを皆で前進する力へ変換する。新体制の下で、心と足並みを改めてそろえて歩む上内電気の未来は、明るく輝いている。


<COMPANY INFORMATION> 
代 表:境 公成
所在地:福岡市中央区舞鶴3-6-23
設 立:1971年8月
資本金:2,000万円
TEL:092-731-5581
URL:https://www.kamiuchi.com

<RECRUIT> 
採用実績:2022年度/1人
採用予定:2人程度
問合せ先:092-731-5581
採用担当:小川


<プロフィール>
境 公成
(さかい・こうせい)
1958年5月生まれ、大牟田市出身。県立三池高等学校、西南学院大学卒業。照明機材を取り扱う代理店の福岡支店長を務めた後、18年上内電気(株)入社。23年1月に代表取締役就任。趣味はゴルフ、ウォーキング、読書。

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