地域の土木業界の発展に貢献する専門商社 ベテラン社員の積極採用で業績も安定成長
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(株)三鐘エフゼット
地域の販売店と連携しながら、
福岡県を中心に九州圏内を網羅道路や橋梁、河川、トンネルといった社会インフラの基盤となる土木事業。また上下水道や公園整備などは生活の安心安全、快適さを維持するためにも欠かせない事業である。そんな土木事業を手がけるゼネコン、土木工事会社や建材商社などに土木関連資材を販売しているのが、(株)三鐘エフゼットだ。
同社の特徴であり、同業者から高い評価を受けている理由は、幅広い商材を取り扱っている点やワンストップで対応している点などにある。土木関連資材の流通はメーカーを起点に、商社から一次卸(問屋)、二次卸(販売店)、施工業者(工務店、工事会社、大工などの専門職)という経路をたどることが一般的。さらに流通ルートも、木材メインの木材ルート、水まわりメインの管材ルート、電気まわりの電材ルート、窓やサッシなどの建具ルート…などといったように、商材によって異なる。ユーザーからすれば、1つの工事に関わる商材を購入したいときには、複数のルートにアクセスする必要があるわけだが、そんな場合に三鐘エフゼットにオーダーすれば、必要な商材を一括してそろえてくれる点が高い評価につながっている。
「土木工事業者を営業で回っていたらいろいろな注文をもらって、それに応えていたら今のようなスタイルになったんですよ」と小林喜幸代表取締役は笑顔で話す。同社の販売圏は離島を除く九州圏内であるが、福岡に本社を置いているだけで、九州各地に支社を置いていない。かといって営業担当者が各地へ頻繁に営業活動に出張しているわけでもない。
「当社が直販しているのは、実は福岡都市圏だけで、そのほかは各地域の販売店にお任せしています。販売店の管理は当社で行っていますが、販売店が工事会社に販売することで、当社としては組織を簡素化できますし、業務も煩雑にならずにすみます。地域の販売店にも利益が出るという好循環が生まれ、お互いにメリットがあります」(小林代表)。
上下水道、公園緑化、土地改良、道路維持、橋梁、トンネル、河川・砂防などさまざまな土木工事で必要な幅広い専門資材を、それぞれの地域でワンストップ対応できる体制をつくり上げたことが工事業者から重宝されているのだ。
「実りある地域社会に貢献したい」
社名に込めた小林代表の思い大学商学部を卒業した小林代表が、新卒で入社した銀行を辞め、1975年に最初に自身で設立したのはマーケットリサーチの会社だった。マーケティング戦略は大手広告代理店がすでに手がけていたが、九州で導入する企業はまだ少なかったという。
土木業界に入ったきっかけについて、「いろいろと仕事のネタはあったんですが、事業としては厳しかったです。それで会社を人に譲って、その譲渡金で生活していたころに知り合いの工具屋から仕事を手伝ってくれと依頼されたことが、きっかけです」と小林代表は話す。そこでは主に土木工事会社向けの営業を担当していたが、やがて土木関連事業の中心的な存在となり、同事業で人を雇うまでになっていった。しかし工具屋は事業拡大を望んでおらず、一部の注文も断るという状態だった。そこで人を雇っていたことへの責任を感じたこともあり、自身で会社を設立することを決断した。
「当時はバブル期でもあり、建設業界は賑わっていて社会からの評価も高まっていました。反面、土木業界に対する評価はそんなに高くはありませんでした。そんな時代に土木会社だけを営業していたのが今につながっています。また私は銀行出身ということもあり、決算書を見せてもらって経理や財務のアドバイスもしていたんです」(小林代表)。
設立にあたり、土木工事会社からの信頼を得ていたことが財産となり、同社の業績はその後も安定している。社名にある「三鐘」とは、キリスト教会において、「出生」「結婚」「死亡」という人生の節目でならされる三度の鐘のことを指す。「エフゼット」とは「Fruitful Zone(実りあふれる地域)」の頭文字を取ったものだ。
「社名には『生涯を通じて実りある地域社会に貢献したい』という意味を込めています。地域の土木業界の発展に、私たちの会社が貢献できれば心から嬉しいです」と小林代表は社名にかけた想いを熱く語る。
厳選した人材を採用すると
社内が活性化し、好循環になる同社で活躍する社員は10人。女性社員2人は営業事務で、それ以外の男性社員は全員が営業だ。同社の人材活用でユニークなのはいわゆる若手社員がいないことだ。最も若い社員が53歳で、50代、60代の営業がバリバリ活躍している。全員が中途入社だが、まったくの未経験者ではなく、リース会社や塩ビ管メーカーなど土木業界に何らかの関係のある企業の出身者だ。前職で営業所長や支店長といった管理職を務めた社員も多い。前職で定年を迎えたが再度働きたいと考えた人もいれば、前職で定年となる前に今後のことを考えて転職してきた人もおり、入社の経緯や動機はさまざまだ。同社の取引先から転職してきた社員もいる。
「ベテラン社員を雇用するメリットは、業界の知識を豊富にもっているということです。ゼロから教えなくていいですから。それぞれが専門家であり、たとえば素材のことがわからなければ素材メーカー出身の社員に聞けば詳しく教えてもらえる。そういう風に1人ひとりが身につけてきた高度な専門知識を共有することで情報が社内に行き渡り、当社の強みになっていきます」(小林代表)。
経験豊富な社員1人ひとりに営業スタイルや仕事のスケジューリングなどにおいて大きな裁量を与えていることも仕事のしやすさにつながっている。新規案件が発生した場合、小林代表は業務を見極め、決裁を行うだけだ。その後はほとんど口出ししないようにしている。
「能力を見て、当社でやっていけそうだと判断した人であれば、年齢はまったく問いません。土木業界では経験がものをいう場合が結構ありますので、年齢が高くても、実力があり働く意欲の高い人は歓迎します」(小林代表)。
今後も社会インフラを担う土木事業に集中して事業を続けていくと話す小林代表。土木に特化した専門商社として九州の土木業界を力強く支えていくことだろう。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:小林 喜幸
所在地:福岡県糟屋郡志免町桜ヶ丘1-15-8
設 立:1987年5月
資本金:1,100万円
TEL:092-936-8081
URL:http://www.office-web.jp/sanshoufz<RECRUIT>
募集職種:営業社員
応募資格:未経験者歓迎
問合せ先:092-936-8081
採用担当:森永
<プロフィール>
小林 喜幸(こばやし・よしゆき)
1947年1月生まれ。福岡県糟屋郡篠栗町出身。西南学院大学卒業後、西日本相互銀行(現・西日本シティ銀行)入行。さまざまな経験を経て、87年、(株)三鐘エフゼットを設立。趣味は読書。歴史小説を好み、郷土史にも精通している。法人名
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