2024年12月29日( 日 )

子どもの笑顔と発展の熱気~カンボジア視察ツアー(1)

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 カンボジア王国。国土面積は日本の約半分の18万平方キロ、人口約1,470万人の東南アジアの一国だ。人口の9割がクメール人(カンボジア人)で、国内ではクメール語(カンボジア語)がつかわれている。9~13世紀には東南アジアのほとんどを支配下においたクメール民族は、アンコール・ワットをはじめとした荘厳な寺院を数多く残した。1975年に樹立されたポル・ポト政権による圧政、大量虐殺、その後に続く内戦によって国土は著しく荒廃し、その遺物ともいえる地雷や不発弾などが今もまだ、未処理のまま残されている。
 福岡博多ライオンズクラブとデータ・マックスは13日から3泊5日、アンコール・ワット遺跡群を擁する都市・シェムリアップに滞在し、佐世保JCが寄贈したコーントライ中学校、データ・マックスが寄贈したトゥールポンロー中学校の卒業証書授与をはじめ、地雷博物館、日本語学校などの視察を行った。視察ツアーの様子をレポートする。

1日目:雨季のカンボジア・シェムリアップへ

 アンコール・ワットは、東南アジアの歴史を学ぶ際、必ず出てくる寺院の名前である。そのヒンズー教寺院を擁する都市、カンボジアのシュムリアップが今回の我々の目的地だ。

 13日朝8時半。福岡空港国際線ロビーに集合した。カンボジアへは福岡から直接行くことはできない。今回の旅では、ベトナム・ホーチミンを経由して、シェムリアップを目指した。福岡から経由地ホーチミンまでは約5時間の空の旅となる。途中、気流も安定しており、大きな揺れもなくホーチミンに到着。航空便ダイヤの関係で約2時間、ホーチミン空港で時間をつぶした後、シェムリアップ行きの飛行機に乗り込む。機内には欧州からの旅行者も多く見受けられた。

ホーチミン空港のロビー<

ホーチミン空港のロビー

空からのカンボジア<

空からのカンボジア

 ホーチミンからシェムリアップまでは空路1時間。飛び立って30分もすると眼下に広大な平野が広がった。湿原のように水と陸地が入り混じった光景は、圧倒的に異様な景色であった。茶色い水が流れる川、木々が生い茂るジャングルのようになった場所。点在する住居。空から文明を感じることは難しかった。それがカンボジアの第一印象だった。

レストラン「アマゾンアンコール」<

レストラン「アマゾンアンコール」

現地時間夕方5時、シェムリアップ空港に到着する。飛行機を降りると湿度、気温共に高く、じっとしていても汗がにじんでくる。今は雨季の最後の方で、現地の方によると、これでも気温は控えめだとのことだった。やがてくる乾季は、とてつもなく暑いらしい。一行はバスに乗り込み、初日の夕食へ向かった。夕食はバイキング形式で、さまざまな食材が並んでいる。カンボジアでの食事は、どれもおいしかった。ただ、ココナッツの香りが鼻から抜ける感じだけ、日本の料理とは違っていた。
 料理を食べつつ、カンボジアの伝統舞踊アプサラダンスを見る。ちなみに、カンボジアでの外国人向けのレストランでビールを飲むと、カンボジアのアンコールビールで中ビン1本1ドル50セントくらい。
 カンボジアは、どこでもそうだが、夜はとても暗い。屋内でも薄暗がりのなかでの食事となる。これは、電力の供給を他国に頼っており、電気代が日本と変わらない程度に高いため、できるだけ節電しているのだとのこと。それでも時折、停電が起こる。暗い屋内でおいしい食事をとり、ホテルで疲れをとった。今回、滞在したのはタ・プロームホテル。土産物屋商店街であるナイトマーケット、飲食街のパブストリート、何でもそろう市場のオールドマーケットのどこからでも近い、とても利便性の高いホテルだった。

伝統楽器による音楽の演奏<

伝統楽器による音楽の演奏

伝統舞踊を堪能する<

伝統舞踊を堪能する

(つづく)
【柳 茂嘉】

 
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