世界で人気を博している韓国化粧品（前）

日韓ビジネスコンサルタント
劉 明鎬 氏

ドラマ、K-POPの成功が起爆剤に

    韓国経済が成長するにつれて、韓国人の美容に対する関心も高まった。韓国は「整形大国」といわれるほど、整形も多く行われている。美しくなりたいというのは女性の本能ではあるが、韓国女性の美容やヘルスケアに対するこだわりには特別なものがある。

　戦争で廃墟となった韓国では、食べていくことだけでも精一杯で、お化粧をするとか、化粧品などはその当時は贅沢品で、化粧品といえば、知人などからもらった日本製やアメリカ製の化粧品しかなかった。

　ところが、数十年後の現在、韓国の化粧品は世界のトップクラスの仲間入りをし、世界から韓国の化粧品業界は注目されている。世界的な化粧品会社であるロレアルやエスティローダーですら、韓国の化粧品会社に化粧品の製造を依頼するなど、韓国の化粧品業界が引き起こしている革新的な化粧品素材の開発やスキンケア法を注視している。

　韓国はフランス、米国に次いで、世界3位の化粧品輸出国となった。それで、最近世界的に新しいトレンドをリードする韓国化粧品のことを「K-Beauty」という単語で表現している。K-Beautyとは、韓国化粧品の最先端性と時代をリードする革新性を指す新造語である。

　韓国化粧品の輸出の始まりは中国であった。高級ブランド化粧品が先に中国人の間で人気を集め、徐々に中低価の化粧品にまで人気が広がった。韓国の化粧品はしっかりした製造技術がベースになっていることから品質は良いのに価格は安く、それが中国人に受けた。

　その後、東南アジアでも韓国化粧品は人気を博した。東南アジアで韓国の化粧品に人気が出るようになったきっかけは、韓国のドラマが東南アジアでブームとなったことだ。ドラマを楽しむうちにファンはタレントに関心をもつようになる。

　その結果、韓国の化粧品が売れるようになった。きっかけはドラマなどで韓国に興味がもたれるようになったことだが、韓国の化粧品は低廉で高品質なことから徐々に市場に浸透していった。韓国の化粧品はアメリカなどでも一定のファンを獲得し、韓国の化粧品をYouTubeで紹介する外国人まで登場し、韓国化粧品の拡散に貢献している。

　デジタル化が進んでいる昨今では、YouTubeやInstagramを活用すると、少ない費用で商品を世界にアピールできる。韓国の若い世代は高い費用をかけずに新しいメディアを積極的に活用したことが功を奏し、韓国の化粧品は世界的に売れる商品となった。化粧品は有力な輸出商品として成長し、現在は全世界に輸出するようになっている。

（つづく）