2024年11月22日( 金 )

スタッフの働きやすさ第一主義を掲げ 設備業界に新たな風を吹かせる!

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山本設備工業(株)

半世紀以上にわたる信頼とたしかな技術で
福岡の快適をつくり、守り続ける

 1956年創業の山本設備工業は、2023年2月から67期目に入った。コーポレートメッセージは「水と空気の〈あたりまえ〉をつくる」で、事業内容は、「給排水衛生設備工事」「空調調和設備工事」「消防設備工事」「水道施設工事」などがメイン事業。新築の設備工事だけでなく、リニューアル工事にも注力しており、マンションの大規模改修工事を基にした「ビル空調システムの更新」「水周りの改修」「住宅設備機器の取り替え工事」「メンテナンス工事」など、住まいに関連したさまざまな管工事を実施している。

 売上高は30数億円にのぼり、取引先は、地場のゼネコンを中心とした民間企業が9割を占め、公共事業が約1割となっている。マンションの管理組合を中心に、改修工事についてのセミナーや勉強会を開くなど、直受注の割合も増やしている。24時間年中無休でのアフターメンテナンスは同社のウリの1つで、車で片道2時間以内に到着できるよう、現場は福岡市近郊に集中している。

建設バブルの福岡で
売上至上主義からの脱却を図る

山本設備工業(株) 代表取締役社長 山本慎一 氏
山本設備工業(株)
代表取締役社長 山本 慎一 氏

    同社のお膝元の福岡市は現在も、天神ビッグバンをはじめ、都心への一極集中などもあり、建設バブルが続くなか、同社にとって方向転換を迫られるある出来事が起こった。遡ること、新型コロナウイルスの感染前の19年。堅調に売上を伸ばしていくさなか、過剰な受注が影響し、従業員数人が一度に退職するという事態が起きてしまった。社内全体の疲労感を強く感じるなかで、山本慎一代表取締役社長は、売上至上主義からの脱却を図る方向に舵を取った。

 翌20年、新型コロナが猛威を振るい始めたころ、外部の経営コンサルタントの助言から、ES(従業員満足度)の向上こそが、顧客満足度を高める」と考え、徹底的に社内環境を見直した。コロナ禍で売上高は以前より約15%下がったものの、ある意味では、業務の見直しを図る絶好のタイミングだったと、山本社長は当時を述懐する。

独自マニュアルの開発・活用で、
従業員の定着率が格段にアップ!

 同社はここ数年、新入社員を 毎年5~6人を採用している。その甲斐あって、この業界には珍しく、多くの若い世代が生き生きと活躍している。現在、同社の従業員数は約70人だが、平均年齢は30代半ばで、20代の割合は約3割を占める。

従業員の能力を引き出す秘訣となる「独自マニュアル」
従業員の能力を引き出す秘訣となる
「独自マニュアル」

    若い従業員の活躍の秘訣は、同社のオリジナルマニュアルにある。各々の仕事を徹底的に洗い直し、施工に関する長年のノウハウを凝縮させた「施工基準書」は、毎年中身を見直し、内容をブラッシュアップさせている。これを見れば、施工に関する疑問が解決でき、どの従業員でも施工業務の均一化が図れる。いわば、山本設備工業の「秘伝のたれ」なのだ。

 さらに、社会人になりたての若い従業員向けに、社会人としてのマナーや心得、生活における常識、業界用語の説明なども網羅されている「コーポレートガイドブック」、従業員全員が常に携帯できるようにつくられた「経営理念体系ハンドブック」など、会社がどの方向を向いて歩んでいるかを従業員全員で共有することで、社内の雰囲気が良くなり、活気が出てくるのだという。山本社長は「数字よりも人を大切にすることで、組織の雰囲気が良くなる。良い雰囲気の会社になれば、数字はついてくる」と話す。

世の中から設備工事の仕事はなくならない
変化に対応し続けられる組織を目指して

筑紫丘高等学校本館棟改築機械設備工事
筑紫丘高等学校本館棟改築機械設備工事

    九州エリアにおいて、福岡市の発展は著しく、人口も160万人を突破し、その発展はさらに加速度を増している。ただ、そんな勢いも長くは続かないだろうと、山本社長は話す。新しい建物が建てば、それに付随して、設備工事の仕事は増えるのだが、その需要が今後もずっと増え続ける保証はない。日本全体で少子高齢化が進むなか、福岡市だけが例外ということはないだろう。

 ただ、たとえ福岡市の人口が100万人に減ったとしても、100万人が暮らすインフラを支える給排水工事の仕事がなくなることは決してないと、山本社長は話す。「福岡市の住民が快適に暮らしたいというニーズは決してなくならないと考えると、私たちの仕事はずっと続けられる仕事だと思う」とし、「そのためには、世の中がどう変わっても対応できるように、ここ数年はさらに足元を固めることに注力する」という。

 管工事関連業界はとりわけ人手不足が深刻だ。昔から3K(きつい、汚い、危険)職場と言われ、若い人たちからは不人気の業種だった。しかし、同社においては、若い従業員が生き生きと働いている。

 「先輩社員が新人の面倒を見るという仕組みをつくることで、社会に出たばかりの若者の不安を少しでも和らげることができる」と、山本社長は考えている。

 男性の職場というイメージの同業界において、同社では女性の活躍も目覚ましい。管理部門だけでなく、最前線の現場においても女性従業員が増えてきている。最近は、建設現場にも女性が増えており、女性用のトイレや休憩室がなかったという問題なども改善されてきており、以前に比べて女性でも働きやすい環境が整備されつつある。

 山本社長は、「働きやすくなったとはいえ、まだまだ女性が活躍するには大変な部分も多い。当社では女性従業員に現場も経験してもらうが、現場で経験を積んだ先には、キャリアを生かして設計部門や営業部門など、自身が働きやすい部門で活躍してもらうように、彼女らのキャリアプランも描いていきたい」と話している。

 業界で最も従業員を大切にする会社を目指す、山本設備工業。この世界でキャリアを伸ばしたいという若者はぜひ挑戦してみてはいかがだろうか。


<COMPANY INFORMATION> 
代 表:山本 慎一
所在地:福岡市南区清水3-5-27
設 立:1961年3月
資本金:5,000万円
TEL:092-554-5930
URL:https://www.y-s-k.co.jp

<RECRUIT> 
募集職種:(1)施工管理
     (2)リフォームアドバイザー
応募資格:大学卒、短大・専門卒、高校卒
採用実績:2022年度/5人  
採用予定:5人程度
問合せ先:092-554-5930
採用担当:総務部 安河内
URL :https://www.y-s-k.co.jp/recruit/


<プロフィール> 
山本 慎一
(やまもと・しんいち)
1963年10月生まれ。福岡市出身。90年4月、山本設備工業(株)に入社。2002年12月、取締役、06年1月、代表取締役社長に就任。趣味は読書、ゴルフ、海外旅行、家族だんらん。

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