韓国経済ウォッチ~第3四半期の業績悪化は必至
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
世界経済の先行きに対する不透明さが増すにつれて、韓国企業の第三四半期の業績にもその影響が確実に現れそうだ。
韓国経済は今年に入って、MERS(マーズ)や北朝鮮の砲撃などの悪材料が重なり、景気が低迷していた。その国内景気がまだ完全に回復していないなかで、外部的には、米国の金利上げの不確実性、中国の経済失速などが影響をおよぼし、輸出企業を中心に業績悪化と営業利益の下方修正が相次いでいる。ある金融情報会社の情報によると、時価総額上位92社のなかで、業績の下方修正をした企業は、半分以上の47社にもおよんでいる。韓国の代表企業であるサムスン電子の第3四半期の営業利益の予想は6兆6,111億ウォンで、2カ月前の予想額に比べると、6.4%も下方修正されている。サムスン電子は、第2四半期に営業利益を6兆9,000億ウォン上げているので、第3四半期には、7兆ウォンを超えるだろうと多くのアナリストは期待をしていた。
しかし、世界経済に悪材料がいくつも重なり、サムスン電子は業績を下方修正せざるを得なくなった。サムスン電子の業績下方修正の理由としては、中国市場のスマホ成長率がマイナスに転じたことや、北米でも成長率が3%にとどまるなど、スマホ関連の景気が芳しくないことを挙げている。
このような状況なので、LG電子も状況は似ている。LG電子も第3四半期の営業利益の予想額を2カ月前より8.69%下方修正して、2,619億ウォンにしている。この数字は前年同期対比では、43%も減少したことになる。電子業界以外にも、最近の世界経済低迷に深刻な打撃を受けている業界がある。重工業と製油業界である。
サムスン重工業の第3四半期の営業利益の予想額は、2カ月前に比べて66%下方修正された239億ウォンである。現代重工業の場合には、64%下方修正された401億ウォンである。大宇海洋造船の場合には、粉飾会計が明らかになり、第3四半期にも赤字を計上するのは間違いなさそうだ。
製油会社も世界経済の成長鈍化で需要が減って、その影響をもろに受けている。SKイノベーションと、S-Oilは前年同期対比では利益は伸びているが、2カ月前に比べると、利益額の予想は31%、32%も下方修正されている。
原油安になることによって原価が減少した側面もあることはあるが、原油高のときの在庫が会社経営に負担になっているとのことだ。しかし、時価総額で2位になっている現代自動車は、ウォン安によって業績が少し回復している。その結果、現代自動車の営業利益の予想額は1兆5,669億ウォンで、2カ月前に比較して1.6%上方修正されている。しかし、前年同期対比では4.96%も減少しているので、業績が回復したとは言えない。輸出企業を中心に世界的な景気低迷が影響して、業績が悪化している。今は仮にウォン安になっても、日本の円もユーロも安くなっていて、相対的にウォン安の影響は限定的であるようだ。
韓国としては、輸出比率の高い中国経済の減速は手痛い打撃である。このような環境のなかで、韓国の輸出企業はどのように輸出を増やすのか、対策に追われている。関連キーワード
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