【福大朔独裁政権崩壊(15)】副学長に九大出身の吉満医学部教授ら内定
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永田潔文新学長とともに、福岡大学の運営のかじ取りを担う4人の新たな副学長の顔ぶれがこのほど内定した。朔啓二郎学長は、医療・医学関係の要職を、福岡大出身者で固めようとしていたが、今回、医学・医療・スポーツ・健康分野担当の副学長に、九州大出身の吉満研吾教授(放射線医学講座)が就く見通しとなったことが分かった。大きな方向転換ともいえ、「大学の今後」が注目される。
吉満氏は鹿児島県出身。2008年に同講座の主任教授に就任した。専門は腹部画像診断。趣味はクラシック音楽鑑賞。朔学長グループとは一定の距離を取っていたこともあって、永田氏が指名し、吉満教授も了承したとみられる。
福大は、福大病院(福岡市城南区)、筑紫病院(筑紫野市)、西新病院(福岡市早良区)の3つの病院を運営。医学部出身の朔学長は、医学部の教授選定や病院の要職人事で、「朔派」の医師を優先する姿勢を続け、内部は「崩壊状態だった」(医学部教授の1人)という。
それだけに、吉満教授への期待は大きいが、医学部長は「朔学長の番頭」と揶揄されている小玉正太教授(再生・移植医学講座)が再選、総病院長として、3病院を束ねる福岡大病院長には、三浦伸一郎教授(西新病院長)が有力視されている。
三浦教授は心臓・血管内科学講座の主任教授で、講座の前任者は朔学長だ。ともに「朔派」と言われており、副学長のリーダーシップがどこまで医学部・病院におよぶか、疑問視する声が早くも聞こえてくる。
福大では約200億円の予算で「病院新本館」の建設工事が進んでいる。この建物に隣接させるかたちで、現在病院本館内にある「医学部臨床講堂」を移設することが決まっているが、朔学長は全学共用の教室も備えた「多目的棟」に計画変更する方針を突然、打ち出し、大きな論議を呼んでいる。
また、西新病院の福岡市中央区の「こども病院跡地」への移転を決定したが、土地購入資金を含めた開発コストを回収できるのか、疑問視されている。つまり、医学部と病院関係の課題は山積しているわけで、副学長、医学部長、病院長がどこまで足並みをそろえることができるのか不透明さが否めない。
なお、残る3人の副学長の1人には、法学部長の山下恭弘教授らの名前が挙がっている。教学、財政、研究・情報の担務とともに、10月8日に公表される見通しだ。
【特別取材班】
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