日本型GMSの本格終焉(後)
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流通アナリスト 神戸 彲
日本型GMSの本格的苦境が始まってこの方、その業態を肯定しながら、結果が悪いのはやり方が悪いのだと主張し続けたのが他ならぬセブン&アイの鈴木敏文会長である。しかし、いくら工夫、改善しても業態が陳腐化している以上、その収益性を改善するのは容易ではない。現在のGMSは、その売場面積を半分にしても売り上げはほとんど変わらないはずである。言いかえれば、それほど市場ニーズから外れた売り場だということだ。これではいくら経営が現場にはっぱをかけても数字は改善しない。
いまや日本型GMS企業のすべてが、すでにモノを売っての利益がマイナスになっている。利益を出しているのはモノ売りの赤字を家賃収入でカバーしているからに他ならない。
イオンがなんとかGMS形態を維持しているのは専門店の集積によるSC形式をとっているからである。もちろん、そのイオンも物販だけを見れば大幅な赤字であることには違いない。つまり、業態としての日本型GMSは、すでに死んでしまっているのである。もちろん、アメリカでも同じで、かつて日本の大手小売業が視察に殺到したシアーズやKマートも以前の面影はない。
このように厳しさ極まりない日本型GMSは当然今後も、CVSや日本型ドラッグストア、製造小売業などにその市場をジリジリ食われていく。
その結果、さらなる閉鎖が待っているのは火を見るよりも明らかである。もちろん、それはイトーヨーカドーに限ったことではない。すべての日本型GMS に共通することなのである。(了)
<プロフィール>
神戸 彲(かんべ・みずち)
1947年生まれ、宮崎県出身。74年寿屋入社、えじまや社長、ハロー専務などを経て、2003年ハローデイに入社。取締役、常務を経て、09年に同社を退社。10年1月に(株)ハイマートの顧問に就任し、同5月に代表取締役社長に就任。流通コンサルタント業「スーパーマーケットプランニング未来」の代表を経て、現在は流通アナリスト。関連記事
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