再現可能なのか!?福岡城天守閣対談!(後)
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JR九州初代代表取締役社長で、現在では福岡城市民の会理事長も務める石井幸孝氏。そして黒田藩藩士を先祖に持ち、福岡市市役所で様々な経験を積み、現在は(有)カワセの代表取締役社長を務める川瀬輝彦氏。これまでのお二人の話から、福岡・博多の歴史的役割が見えてきた。最後となる今回は、あらためて福岡城天守閣の再現について語っていただいた。
石井 平和台球場から多くのものが発掘され、鴻臚館跡や福岡城跡を主とする歴史公園が誕生したわけですが、考古学の先生なんかは日頃の研究から「あそこを掘れば何か出るぞ」というのは、分かっていたようなんですよね。
川瀬 分かっているんだけれど、区画整理の問題などあって、簡単には掘り返せないということは結構多いようなんですよね。佐賀の吉野ヶ里遺跡もそうで、当時県庁に勤めていた同期は、遺跡が発掘された時「知ってたわ!」と笑っていました。
石井 市民の間でも意見が割れるのがまさにそこで、天守閣を再現するとして、総工費はどれくらいになるんだという費用の問題があるんですよね。
川瀬 余裕があればもちろんいいのですが、今の時世を鑑みると、簡単にGoサインは出せないでしょうね。
石井 ですからとりあえずはAR(拡張現実)でいくのがいいと思いますね。鴻臚館も福岡城も、ヴァーチャルであれば既に当時の姿を楽しめるようなサービスが始まっているわけですから。
川瀬 箱物として作ってしまうと、維持管理の問題も出てきますしね。
石井 ええ。ただ、ヨーロッパなんかを見てみますと、上手く歴史的な建造物を観光資源として活用できている国が多いですよね。そう考えると観光資源として、やはり形あるものとして残した方が良いのかなとも思いますね。
川瀬 叔父叔母がニューヨークに住んでいた関係もあって、わたし自身よくニューヨークに足を運んでいたんですが、何度行ってもセントラルパークってのは凄いなと痛感させられるんですよね。街のど真ん中を抜けるように巨大な公園が存在していて、その公園内で野外音楽祭が開催されたり、映画のロケ地として使われたり、ランニングされる人がいたり家族でやって来て芝生の上で団欒していたいりと、本当に素晴らしい場所で、しっかり住民の財産になっているんですよね。福岡市が進めているセントラルパーク構想も、鴻臚館、福岡城天守閣の再現も、やるのであれば地元の方、観光で訪れる方が、また来たいと思えるような場所にしていく必要があります。
石井 いずれにせよ、福岡市民全員が積極的に関心を持って、議論していく必要があります。
人口減少が避けられない中、資本を地元に呼び込む選択肢の一つとして、福岡城天守閣の再現が実現してもいい。だがお二人が話されてきたように、単なるお飾りで終わってしまってはいけない。誰もが楽しめる憩いの場となるように、市民全員で知恵を絞っていく必要がある。
(了)
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