トコジラミの恐怖~九州上陸も時間の問題か~一般家庭での撲滅の難しさ
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先月には韓国で発見、拡大の兆し
今年に入って、トコジラミの発見件数がヨーロッパで急速に増えている。日本では近年ほとんど名前を聞かないため、若い人はその別名である「南京虫」という名前も知らないと思われるが、ヨーロッパでは珍しい話ではなく、とくに2000年代の初頭から報告が増加していた。増加の要因は、グローバル化による人の移動だと言われている。それが、コロナ禍後の移動の再開によって、世界的な広がりを見せつつある。そしてついに先月、日本と同様に撲滅に近い状態であったというお隣の韓国でもトコジラミが発見され、拡大の兆しを見せている。
トコジラミが家庭内に侵入した場合、撲滅は難しい
トコジラミは何が問題なのか。トコジラミは体長5~8mm、人の血液を栄養とするため、刺されると赤く腫れ、とてもかゆい。だが、とくに感染症を媒介することはない。よって生命にかかわるような危険性があるわけではないのだが、問題は殺虫剤に対する耐性をもったトコジラミが増え、駆除がとても難しいことだ。
もともとは、トコジラミに対する特効薬があった。DDTである。戦後日本の映像でよく見る、進駐軍が日本の子どもたちに散布していた白い粉だ。あれは主に、アタマジラミの駆除を目的としていたようだが、DDTはトコジラミにも同様に特効薬となった。DDTは第2次大戦後、世界中で使われた。日本でもトコジラミは一度根絶されている。その後、DDTは発がん性があるとして、現在は一部の防除目的を除いて使用が禁止された。しかし、近年、流行しているトコジラミは、世界中で使用されたDDTを生き抜いたものの子孫だと考えられている。
殺虫剤が効かないトコジラミが増えているため、家庭で発見した場合、駆除に最も効果があるとされるのはトコジラミが見つかった衣類や寝具をできるだけ早急に高温蒸気(スチーム)にかけること。しかし、それらすべてスチーム処理することは現実的でない。しかも、トコジラミは寿命である3カ月~半年の間に約200~500個産卵するとされ、短期間で急速に広がる。そのため、一度家庭内に侵入されたら、もはや素人の手で完全に駆除することは難しいとされている。
よってトコジラミに家庭内に侵入されると、不眠症になったり、一度駆除したつもりでもまた出てくるということを繰りかえすので、ノイローゼになったりするなど、精神的なダメージが大きいとされる。
コロナの次に流行するのはトコジラミかもしれない。くれぐれも注意したい(注意できるものならば。)
対策のために下記ページや、その他専門のページもぜひご参照いただきたい。
■福岡市のホームページ
「トコジラミ(南京虫(なんきんむし))について」【寺村朋輝】
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