【まるの会・一條氏のコンサル資質に疑義(7)】スリーダムアライアンス、豪華取締役陣で24年、勝負の年に勝ちをつかむ?
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先端技術開発のスタートアップ企業が利益を出すまでの道のりは長い。
(株)スリーダムアライアンス(東京都港区、以下、スリーダム)もその1つだ。2014年、首都大学東京(現・東京都立大学)発のベンチャー企業として設立された同社は、リチウムイオン電池・リチウム二次電池セパレータの開発を行ってきた。同社はこれまで研究段階にあり、売上らしい売上はなく、膨大な赤字を膨らませてきた。
22年に(株)スリーダムから現社名に変更した同社も、来年はいよいよ勝負の年となる。
8月28日に、同社のシンガポール子会社であるnoco-noco Pte. Ltd.(以下、noco-noco)が米ナスダック市場に株式を上場した。7月には、スリーダムのセパレーター量産開発部門を会社分割して、noco-tech(株)を設立しており、セパレーターの量産化に向けた製造設備向けの投資などを行うために、上場によって1億5,000万ドル(約220億円)の資金調達を予定している。セパレーターを搭載したバッテリーの市場投入は24年をメドにしているという。
上場に先立ち、スリーダムの代表取締役であった松村正大氏はnoco-nocoのCEOに就任、後任には松村昭彦氏が就任した。
さて、同社が長年開発し、満を持して市場に問う最先端のリチウムイオンバッテリーが、どれくらい価値をもつものなのか、素人には分からない。
だが、そのような素人に分かりやすいヒントを、同社はご丁寧に用意してくれている。
豪華な取締役の意味するものは?
22年6月に4人の取締役が新たに選任された。先述の松村昭彦氏のほか、社外取締役に竹中平蔵氏(元総務相、パソナグループ前会長)と古澤満宏氏(元財務官)、飯塚洋氏(安倍晋三元首相の政策秘書)だ。
先端技術スタートアップ企業でこの取締役の陣容をどのように理解すればよいのだろうか?
政官との深いコネクションが、先端技術の市場投入による成功を保証してくれるのだろうか。それとも、市場での成功云々ではなく、何らかの「保険」のニュアンスなのだろうか。
政官のコネを頼みにした事業が、潮目の変化が激しい最先端分野での国際競争で勝ちの一手をうつことができるものかどうか。悪い予感しかしない。
【寺村朋輝】
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