連合支援はない方が有利
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NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は、「連合」の狙いは野党の分断にある。大事なことは日本の主権者が連合の正体を正確に見抜くことと主張した11月9日付の記事を紹介する。
労働組合組織の「連合」は歴史的に国際勝共連合と深い関わりを有していると見られる。名称を国際勝共連合に改めるとわかりやすい。
その連合の次期衆院選の基本方針案が明らかになったと報じられている。
読売新聞は「共産党を念頭に、「異なる社会の実現を目的に掲げる政党」と政策協定を結んだり、集会に参加したりした候補者は「推薦できない」との方針を明記した。連合が支援する立憲民主党と共産が10月、次期衆院選で連携する方針で一致したことを踏まえ、推薦候補の基準を明確化し、立共接近をけん制する狙いがある。9日の中央執行委員会で決定する予定だ」と報道した。
この方針案では、連合が推薦を決定した後でも、集会参加などがわかった場合、推薦の「取り消しも辞さない」とのことだ。
連合の母体は労働組合4団体だが、中核に位置するのはかつての「総評」と「同盟」。「総評」が革新系の労働組合団体であるのに対し、「同盟」は隠れ自民系の労働組合組織。「同盟」は「御用組合連合」と表現してもよいだろう。この同盟の系譜をひくのが連合内の「6産別」だ。
「6産別」は電力、電機、自動車、鉄鋼、機械・金属、繊維・流通の6つの産業別労働組合組織のこと。この6産別が連合の実権を握っている。
同盟は1964年に民社党の支援母体として創設された。民社党の設立は1960年。民社党の設立に際してCIA資金が投下されている。CIAは何を目的に民社党創設に関与したのか。目的は明確だ。日本の革新陣営を分断することが目的だったと考えられる。革新の装いを凝らした対米従属保守勢力を革新陣営に潜り込ませたのである。
国際勝共連合は統一協会が創設した政治運動組織だが、その創設に関与したのが岸信介、笹川良一、児玉誉士夫、そして日本統一協会初代会長の久保木修己の各氏である。統一協会は創設地の韓国において勝共の主張を前面に押し立てることで韓国朴正煕政権の庇護獲得に成功した。韓国で勝共連合を支援したのがKCIAでCIAの勝共政策を背景としていたと見られる。
日本における国際勝共連合の活動の背後にもCIAの思惑が見え隠れし、国際勝共連合は民社党ならびに同盟と極めて深い人的関係を構築した。CIAは米国が支配する日本政治体制を維持するために、革新陣営が一枚岩で結束することを妨害するために民社党、同盟の創設に尽力したと考えられる。その同盟の系譜をひくのが現在の連合6産別。6産別が主導権を握る連合代表を務める芳野友子氏の主張は勝共政策そのものである。連合の名称変更が妥当と考えられるのはこのためだ。
この連合が野党共闘構築を妨害している。現在の選挙制度を踏まえると、政治刷新に必要な衆院過半数議席を獲得するには政策を共有する政治勢力の結集が必要不可欠である。安全保障、原発政策、経済政策の基本方針が一致するなら、共産党を共闘対象から排除する理由はない。共産党が単独で政権を樹立することへの賛否が問われているわけではない。共産党も選挙における共闘の条件に共産党の単独政策を政権樹立の際に採用することを求めていない。
定員1の選挙区において、政権与党に対峙する野党候補が乱立することは与党候補の勝利に手を貸すもの。基本政策を共有できるなら野党は候補者を1人に絞る必要がある。基本政策が異なるなら、選挙共闘は野合と表現されても仕方ない。
しかし、基本政策を共有できるなら選挙協力を実施すべきだ。連合の狙いは野党の分断にあると考えられる。野党分断の推進は与党候補勝利をもたらすから、野党分断は政権与党への援護射撃の意味をもつ。連合は自民党の援護射撃を実行していると考えられる。
大事なことは日本の主権者が連合の正体を正確に見抜くこと。市民と野党の結集を図る際には連合を取り除くことが重要になる。アルコール依存を断ち切るのと同様の覚悟と勇気が重要だ。
※続きは11月9日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「連合支援はない方が有利」で。
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