医師の新専門医制度?『白い巨塔』復活?
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ある日の内科医の姪っ子との会話。
「叔父さんは新専門医制度って知ってる?」
「医者じゃないから知らないけど、知り合いの医者が大変になるなぁと呟いてたな」
「そうなんだよ」
「今までも専門医というのがあったよな?」・・・。詳細を聞いてみると、従来から専門医制度というものがあり、各学会ごとに認定していた。認定基準等も各学会ごとにバラバラで、要は簡単なナンチャッテ専門医から、非常に難しく、症例経験がないと取れないものまで玉石混淆であった。
また国家資格でもなく、上乗せできる公的資格もない。ただし、院内ルール等で不利益を被る場合もあるので、多くの医者が取得している。内科医は医師免許取得後から3~6年でほとんどが専門医取得を目指すため、学会の指定病院に勤務する。したがって若い医者は「学会指定病院から就職先を選ばなくてはならない」、病院側は「学会指定病院になるか否かで若い医者が来るか否か」が決まる。しかしながら2015年医師国家試験以降の合格者は、専門医の認定組織が学会から一般社団法人 日本専門医機構(以下機構)に変わり、機構が専門医認定機関になる。専門医の質が担保され、一般にも周知され誇りを持つという一定のメリットはある。しかし、専門医認定の養成指定病院も機構が決定し、さらに専門医の人数を超えて若い内科医を募集できなくなるということである。すなわち、大学病院や大都市部の大病院が有利になり、地方部は若い医者の勤務が減ってくる構図となる。
一方、地域医療支援センターを設置し、都市部への医師集中を防止しているが、実際、どれくらい機能しているのかどうか、現状では判断できない。
結局、初期研修制度の変更で市中病院へバラバラになった研修医が、専門医認定病院になりやすい大学で専門医を取得し、将来のキャリアパスを考えると、再び大学という『白い巨塔』へ吸い上げられるかもしれない・・・。【酒井 満】
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