【縄文道通信第105号】統合値啓育──野生の精神回帰(後)
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(一社)縄文道研究所
代表理事 加藤 春一 氏NetIB-Newsでは、(一社)縄文道研究所の「縄文道通信」を掲載していく。
今回は第105号の記事を紹介する。当研究所では、かかるパラダイムシフトのなかで、縄文文化の価値観に根差した総合的人間力育成のために商標登録を申請し、以下3つの言葉が認証されている。3つの言葉と意味は次の通りである。
新縄文人
縄文人の価値観と精神性を現代社会で生き抜ける人財像として、以下の「8C」として定義づけた。
1.現状打破への勇気──Courageous
2.逞しい常識─────Common sense
3.世界で通用する技能と意識
──────────Commonly useful
skill and Knowledge
4.成果を出しうる能力─Competent
5.伝達能力──────Communication
6.遵法精神──────Compliance
7.協力、協調の精神──Cooperative mind
8.異種文化の壁を乗り越えられる
──────────Culturally barrier free縄文道経営
現在の国境を越えて瞬時に情報が世界に伝わる社会で、組織の在り方は根柢的な環境変化に対応するものである必要がある。すなわち以下5つの環境、状況のなかで、従来型の弥生式と比較した表を紹介する。
縄文型経営は野生的で自由かつ柔軟な経営で、日本の従来の弥生型からとは異なる、再生へのカギとなる経営だと確信する。
統合値啓育
すでに述べてきたように現在の偏差値教育が壁にぶつかっていることを、日本のほとんどの識者は認識している。
現在は、世の中は偏差値より統合値に基づく人物、とくに一芸秀逸の人財が世界で活躍するようになった。日本では野球の大谷翔平選手、将棋の藤井聡太名人、スケートの羽生結弦選手らがスポーツの面で際立っている。彼らは一芸秀逸なプロであり、偏差値教育課程とはあまり関係なく、羽生結弦選手以外は大学教育も受けていない。
統合値(OUTCOME EDUCATION BASED ON INTEGRATED VALUE)は、知性値(INTELLECTUAL VALUE)と感性値(SENSITIVE VALUE)、身体値(PHISICAL VALUE)で構成される。各分野で自己の才能を最大化すれば、自ら道は拓けるはずだ。
東京工業大学元学長の川上正文教授は昔、EDUCATIONについての明治時代の翻訳ミスが、その後の日本の教育の最大の間違いと指摘した。「教育は上から下に教える」というかたちになっているが、本来は心の底から自主的に学ぶ啓育のかたちが正しいというのだ。
本件は当社と関係のあるグループダイナミックス研究所の柳平彬代表が昔から指摘し、元文部大臣の下村博文氏も教育から啓育への転換の必要性を提言した。現在、下村元大臣も柳平代表の指摘に賛同している。
今後の日本の教育は偏差値教育ではなく統合値啓育への転換が必要と考える。日本は縄文時代からの長い歴史で常に艱難辛苦を乗り越えてきた。日本再生のカギは縄文時代に長期にわたって形成された、日本人のDNA に刷り込まれた野性の精神を取り戻して、統合値啓育と縄文道経営に舵を切れば、必ず再生すると思う。
(了)
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