2024年11月26日( 火 )

政治資金規正法抜本改正必須

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 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は、「政治資金パーティー収入のキックバック問題は政治資金規正法の根幹を揺るがす悪質な問題。検察の断固たる捜査姿勢と法改正が必要」と主張した12月15日付の記事を紹介する。

 自民党政治資金不正事件が巨大事件に発展する。最後はカギを握るのは検察の姿勢。自民党安倍派の組織的・計画的と見られる裏金創作は極めて大規模かつ悪質なものと見られる。安倍派では5年間で5億円もの裏金がつくられていたと報じられている。

 国民は日本経済が低迷を続けるなかで困窮生活を強いられている。日本の労働者実質賃金は1996年以来減少し続けている。労働者1人あたりの実質賃金指数は1996年から2022年までの26年間に14.4%も減少した。内閣府の2022年度版「年次経済財政報告」資料によれば、全世帯の所得分布における中央値は1994年が505万円だったが、2019年には374万円になった。25年間で世帯所得の中央値が131万円も減った。国民生活は明らかに悪化している。

 追い打ちをかけたのがインフレの高騰。インフレは労働者実質賃金をさらに減少させる。2021年5月に実質賃金指数は前年同月比3.1%増を示していた。これが2023年1月には前年比4.1%減に激減。インフレが国民生活を直撃したことが分かる。

 庶民生活を苦しめている元凶は消費税だ。所得の少ない人、所得のない人からも超富裕層と同じ税率で消費税をむしり取る消費税は生存権を奪う悪魔の税制である。

 この状況下で政治屋が何をしてきたのか。安倍派では5年間で5億円もの裏金を創作していた。政治資金収支報告書にも記載しないパーティー資金。これを裏金として懐に入れていた。使途は不明。税金も納めていない。

 政治資金は収支報告書に記載して報告することが義務付けられている。2009年には寄附を事実通りに記載して報告したのに小沢一郎民主党代表の資金管理団体会計責任者が逮捕・起訴された。「西松事件」である。「新政治問題研究会」「未来産業研究会」という2つの政治団体からの寄附を事実通りに記載して報告した。それを「虚偽記載」として逮捕した。検察の主張は2つの政治団体名でなく「西松建設」の名で記載すべきというものだった。しかし、公判で西松建設元取締役総務部長が2つの政治団体に実体があることを証言した。この瞬間、小沢氏事務所の収支報告は適正であることが明白になった。

※続きは12月15日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「政治資金規正法抜本改正必須」で。


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植草一秀の『知られざる真実』

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