20歳差トリオが織りなす新建設会社~(株)スエナガ(後)
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3名の想いと役割
「かつて農協の組合員さんに飛び込みで営業を行っていました。しかし、『貸マンションを建てませんか』いう文句では、なかなか受注につながりませんでした。また郊外での賃貸マンションの推進は、家賃が低い分利回りが悪いのは当然です。ですから、オーナー様に対して、賃貸マンションだけではない土地の活用を提案していくべきだと思ったのです」(安辺氏)。
そんななか、ある不動産会社から医療コンサルを紹介され、始まったのがクリニックの用地探し。開業医は医療機器や運転資金等に費用がかかるため、土地を買い、建物を建て、開業までに億単位で初期投資がかかってしまう。「億単位の融資はかなりの負担になるので、何とかできないかと思い、土地所有者に相談しました」(安辺氏)。
すると、今まで賃貸マンションの提案しかできなかったが、「医療だったら話を聞きたい」と土地所有者が興味を持ってくれたという。所有の土地に医師の要望する建物を建ててもらい、賃料を医師が支払う。そうすることで、オーナーは空室リスクが少なく、医師も初期投資が減る仕組みができあがった。土地所有者と開業医をうまくマッチングし、お互いが支え合う仕組みで、クリニック・医院建築が始まった。これまで安辺氏が手がけたのは約30棟。すでにクリニック建築の基盤はできあがっている。独立してからもその流れは変わらず、新会社でもすでに5棟の見込みがあるという。「ご縁に感謝と、今までと変わらないお付き合いをして下さる関係者に本当に感謝しております」と同社。
代表を務める出口社長は(株)末永工務店に入社以来、技術畑を歩み 常務になるまではずっと現場担当だった。役員就任後に営業に入り、6年ほど経験を積み、新会社の代表となる。出口社長は今後の方法性について、これまでのキャリアを活かしながら、寺社建築にも注力したい」と語っている。
3人をまとめる末永会長は、落ち着いた表情で次のように語った。「末永工務店の仕事は取るなと言っている。ただし、お客様のリクエストであれば、それは仕方ないだろう。新しく始まった小さな会社だが、この2人(出口社長、安辺部長)だったら、兄の意思を引き継いでくれる」と2人には全幅の信頼を寄せる。
過去に実績はあるものの、スタートしたばかりの企業である。3人トリオが生み出す、過去の経験と新しい発想の組み合わせで、難局を迎えても乗り越えていけるだろう。今後の同社の成長に期待したい。
(つづく)
【東城 洋平】<INFORMATION>
(株)スエナガ
所在地:福岡市城南区堤1-30-1
代 表:出口 洋一
電 話:092-874-4545関連記事
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