2024年11月26日( 火 )

日本株価が上昇する理由

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 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は、生活防衛のための資金運用の重要性とその戦略について論じた1月11日付の記事を紹介する。

『資本主義の断末魔』(ビジネス社)(https://x.gd/xIij4)の広告が(2023年)12月28日付日経新聞朝刊に掲載され、アマゾンベストセラー1位(金融・銀行)にランクインした(なお、NetIB-NEWSサイトでの読者プレゼントは応募者多数により、受付を締め切らせて頂いた)。

前作『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社)(https://x.gd/8MnQp)帯には「日経平均3万6,000円突破も!」と明記した。日経平均株価は本年1月11日に高値3万5,257円を記録した。同書を上梓した昨年1月大発会の日経平均株価安値は25,661円。新年に入って10日が経過して3万5,000円台に移行した。1年間で約1万円の日経平均株価急騰が生じ、昨年の経済金融予測はほぼ的中したといえる。

年初に上梓した『資本主義の断末魔』巻末には、『千載一遇の金融大波乱』に掲載した「注目すべき株式銘柄24」の23年株価変動実績表も掲載した。ほぼパーフェクトの勝利を記録した。このシリーズ本は私が執筆している市場分析レポート『金利・為替・株価特報』(=TRIレポート)(https://uekusa-tri.co.jp/report-guide/)の年次版。2013年から刊行を始めて、今回がシリーズ第11弾になる。

2024年版『資本主義の断末魔』にも「注目すべき株式銘柄21」を公開している。本書では資本主義の行き詰まりを論じている。資本主義が限界に直面して断末魔の叫びを上げている。日本の経済運営システム、政治運営システムを改変する必要性を訴える。

本書で資本主義の在り方を批判しているのに、他方で株式市場を活用した資金運用戦略を解くのは矛盾ではないかとの声がある。この疑問への回答は本書末尾に明記している。私たちは日本の政治を、そして世界の経済運営システムを改変すべきである。目標は「誰もが笑顔で生きて行ける社会」の構築だ。そのための具体的な政策提言も盛り込んだ。

しかし、理想の政治は実現せず、理想の社会も生まれていない。この現実のなかで人々は生活防衛の必要性に直面している。「白い猫でも黒い猫でもネズミを捕るのが良い猫だ」の言葉があるが、悪い企業でも悪いシステムでも生活防衛のために利用できる機能は利用すべきである。

これが生活防衛のための資金運用戦略の考え方。資本主義のシステムを肯定して資金運用を行うのではない。資本主義のシステムが改変されるまでの時間的視野のなかにおいて、良い悪いの判断を横に置いて、生活防衛の手段を活用することを説いている。また、資金運用そのものを否定する価値観があるが、これは偏見である。資金運用は最もインテリジェンスを求められる活動であり、一種の知的ゲームの側面を有する。

※続きは1月11日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「日本株価が上昇する理由」で。


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植草一秀の『知られざる真実』

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