箱崎キャンパス跡地再開発は三つ巴の争いに~トライアルは“ダークホース”となるか
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九州大学・箱崎キャンパス跡地のまちづくりに係る土地利用事業者の公募が、1月29日・30日の2日間で締め切られた。九州電力や九電工、東京建物などが参加するグループと、JR九州や西日本鉄道、西部ガス、住友商事などが参加するグループ、そしてトライアルホールディングスなどが参加するグループと、少なくとも3グループが応募したとされており、今後の審査を経て、4月にも優先交渉権者が選定される予定となっている。
これら3グループはそれぞれ、九電らのグループが2万人規模のアリーナを核とする案を、JR九州らのグループが先進的なIT活用のオフィスなどの案を出しているほか、トライアルグループもIT活用のまちづくり案を出したとされている。九電らのグループ案ではアリーナというわかりやすいランドマークが打ち出されており、イメージとしてのインパクトは大きい。一方のJR九州らのグループには、JR九州と西鉄という福岡を代表する鉄道会社2社が参加しており、JR新駅および西鉄貝塚駅を擁する箱崎キャンパス跡地エリアの再開発においては、“地の利”がありそうだ。
そうしたなか、福岡の“七社会”が参加する前者2グループはともかく、ディスカウントストア大手として知られるトライアルグループが、こうした大規模なまちづくり事業に手を挙げたのは、意外といえば意外に思われるかもしれない。
だが、同社はもともと小売店向けのPOSシステム開発を手がけるなどITを祖業としており、かねてよりセルフレジ機能が付いたスマートショッピングカートの導入など、自社店舗でのDXを積極的に進めてきた。さらに現在は、宮若市および九州大学との産官学協働で、リテールDXを軸にしたまちづくり「リモートワークタウン ムスブ宮若」プロジェクトを進めている真最中であり、むしろ福岡市が箱崎キャンパス跡地で進めようとしている「FUKUOKA Smart EAST」に合致する先進都市づくりの領域では、他社が追随できない独自のノウハウを豊富に蓄積しているといっても過言ではない。トライアルグループが、番狂わせを生じさせる“ダークホース”となる可能性は十分考えられる。
今回の3グループからの提案が、審査を経てどのように評価され、どこが優先交渉権者に選定されるかについてはまだ定かではないが、今後も引き続き経過を見守りながら、箱崎キャンパス跡地でこれから始まっていく新たなまちづくりに期待したい。
【坂田 憲治】
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