裏金疑惑で揺れる自民党は再生できるのか?(後)
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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」の記事を紹介する。
今回は、2月2日付の記事を紹介する。となれば、今後の自民党の総裁選にはキングメーカーを自負し、茂木派との連携を強める麻生氏が前面に出てくることになりそうです。結果的に、派閥の解消派と温存派の間で、自民党は分裂が避けられそうにありません。いずれにしても、支持率が過去最低となっている岸田氏が政治への信頼を回復させるうえで指導力を発揮することはまず無理なこと。
政治家としての「情熱、判断力、責任感が欠如している」との指摘が専らとなっている岸田氏が自民党を率いることはありえません。派閥の解消といっても、麻生派等の派閥は残るわけで、中途半端な見せかけだけの政治刷新で終わるでしょう。
これでは有権者からの納得も支持も期待できないというもの。もし自民党が政治への信頼を回復したいと本当に望んでいるのであれば、選挙制度そのものを改革し、世襲や利権との決別を目に見えるかたちで廃止すること、そして日本の未来を国民とともに創造していく確固たるビジョンを示す必要があります。
そのためにも「総裁の選び方や人事の在り方を抜本的に見直すことができるかどうか」に、自民党の行く末がかかっていることは間違いありません。
実際、政治資金規正法は“裏金”確保のための抜け穴だらけです。政治資金パーティーそのものを廃止する意見も一時ありましたが、結局、元の木阿弥で終わりました。
要するに、政治、とくに選挙に勝ち残るためには裏金が欠かせないという長年に渡る腐敗体質がある限りは、掛け声だけの政治改革は「絵に描いた餅」で終わることになるでしょう。
真の政治改革のためには企業団体献金を完全に廃止することが先決です。また、違反した場合の罰則規定を強化することも欠かせません。
企業による献金もパーティー券の購入も、すべて政治家を動かし、利権を確保することが目的です。個人献金を含めて、誰がいくら献金したのか、その情報をネットですべて公開することが求められます。
そのうえ、残念ながら、検察の決定は政治の奥の院に対しては切り込めないことを明らかにしました。いわゆる「トカゲのしっぽ切り」でお茶を濁しただけです。
安倍派の疑惑有力幹部7人は皆、無罪放免となったわけで、有権者の政治不信は募る一方である上、検察に対しても猜疑心が払しょくされないまま。これでは、ますます「国家の在り方」そのものへの失望感は拭えません。
能登半島大地震のみならず、近づく南海トラフ大地震や富士山噴火といった自然災害への備えも不十分で、自衛隊の初期対応の遅れも問題視されています。明らかに日本の政治体制の末期症状に他なりません。
(了)
著者:浜田和幸
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