韓国経済ウォッチ~サムスンギアS2、一年ぶりの会心作
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
サムスン電子は今月の2日、円形スマートウォッチ「ギアS2」の販売を開始した。サムスン電子としては、7番目のスマートウォッチである。サムスン電子は、2013年9月のギャラクシーギアを皮切りに、1年間になんと6個のスマートウォッチを出している。今回の製品は昨年発売したギアSから1年ぶりに発表するウェアラブル製品だ。
一方、ライバルのアップルは、その間にアップルウォッチを出荷し、サムスンから首位の座を奪ってしまった。 サムスン電子は巻き返しを図るため、1年間の熟考を経た末に出荷したのが今回の「ギアS2」なのである。今回サムスンの「ギアS2」の開発チームに出された指示は、製品の中にはいる部品をできるだけコンパクトにすることと、使い勝手をよくすることであった。また、製品のコンセプトが事前に漏れるリスクを負いながら、サムスン電子はソフトウェア開発キット(SDK)を出荷6カ月前に公開した。アップルに奪われた首位の座を取り戻すためにいろいろと悩んだ末の決定だったようだ。
今までのギアSの角ばった形を一新し、「ギアS2」ではサムスン初の円形を採用した。円形デザインを実現するため、サムスンの開発チームではゼローベースで人種、性別、年齢ごとに腕の平均サイズを調べることからスタート。加えて、一般の腕時計のサイズ以上になると、見栄えもよくないし、はめ心地が悪いので、それにも十分配慮した上で、サイズを決定したようだ。次の課題は、このように決まったディスプレーのサイズの中に部品を全部入れこむことだった。
すなわち既存のスマホの部品を性能と技術はそのまま維持しながら、サイズだけを縮小する作業が待っていたのだ。今回は前回まではサイズの限界で搭載できなかった各種チップとアンテナ、コイル、センサーなどをすべて搭載するのに成功したとサムスン電子の関係者は明らかにしている。
「ギアS2」は近距離無線通信(NFC)チップも搭載していて、地下鉄料金の決済と小額決済も対応している。他社の円形スマートウォッチの場合に、文字が切れて見えなくなったりしているが、その短所を補完したことも「ギアS2」の特徴の一つであるとサムスン電子の開発チーム長は明かした。
その他にも「ギアS2」はディスプレー枠にある円形ベゼルを通じ多様な機能を果たせるようになっている。ベゼルを左に回せば、ショートメッセージ、不在着信、カカオトークのようなお知らせメッセージが表示され、右に回せばユーザーがあらかじめ設定しておいたアプリケーションを利用できるようになる。また円形ベゼルは、3Gモデルに搭載されたGPS機能のためのアンテナの役割を果たしており、サイズは大きくせずに性能を上げるような工夫が施されている。その他にもセンサーを活用したヘルスケアももう一つの特徴としてあげることができる。現代的な感覚の「ギアS2」がわずか11.4ミリの厚さに解像度360×360の1.2インチスーパーAMOLEDディスプレーを搭載している。
このように便利な機能が搭載された「ギアS2」ではあるが、スマートウォッチ市場自体が活発ではないため、どのような展開になるかはもう少し見守る必要がある。
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