元弁護士・清田知孝被告、横領事件の初公判で起訴事実を認める
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福岡県弁護士会所属だった元弁護士の清田知孝被告が横領などの罪で起訴された事件について、21日午前、福岡地方裁判所で初公判が行われた。
格子縞のグレーのスーツに身を包み出廷した清田被告は、とくにやつれた表情などもなく、落ち着いた口調で裁判官の質問に答えると、検察が主張する2件の事件について起訴内容を認めた。
事件は、清田被告が当時、弁護士としての業務で預かった約802万円と、約80万円を横領したとして起訴されたもの。
検察の冒頭陳述によると、1つ目の事件は、2021年6月、清田被告が顧問を務めていた企業が起こした未払い金請求訴訟で、当時所属していた法律事務所の口座に振り込まれた金額約882万円のうち約802万円を横領したもの。また、2つ目の事件は、22年6月、清田被告が刑事事件の弁護人を務めた被告の保釈金として預かったにもかかわらず、保釈手続きを行わずに預り金約150万円のうち約80万円を横領したもの。
検察は、いずれの横領についても、清田被告がのめり込んでいた競艇のテレボート(インターネットによる舟券購入サービス)にその大半をつぎ込んだと主張した。また、検察は、清田被告が事件を発覚させないように、1つ目の事件の被害者に被害届の取り下げを求めて脅迫したとも主張した。
それに対して、清田被告の弁護人は当該事件の証拠が多岐にわたるとして、その場での証拠についての同意は見送った。
また、検察側は清田被告には余罪が複数あるとして、4月以降の追起訴を検討しているとも述べた。
第2回公判は、5月9日(木)午後1時30分、912号法廷で開かれる予定。
清田被告は、07年司法試験合格、09年から福岡県弁護士会の所属となったが、14年以降、同弁護士会から5回の懲戒処分を受けており、19年以降には200件以上の苦情が同弁護士会に寄せられていた。被告は事件発覚後の今年2月に同弁護士会を除名されている。公判では現在の自身の職業について、不動産コンサルタント業と述べた。
【寺村 朋輝】
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