九大のカブトムシ飼育施設でコバエ大量発生 住民に謝罪
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九州大学は16日の夕方から記者会見を開き、カブトムシを活用して家畜飼料を生産する実証実験を行う福岡県嘉麻市の元学校校舎で、コバエが大量に発生し、近隣の住宅に侵入し、苦情が相次いだことを発表した。
会見や市への取材で明らかになったのは、次の通り。九州大学と嘉麻市は、2022年8月、昆虫を活用した新産業で雇用を創出し、地域活性化を図るための連携協定を締結していた。これに基づいて同年9月、九州大学大学院農学研究院の紙谷聡志准教授(当時:現在は教授)らの研究グループが、カブトムシを養殖し、幼虫やサナギの乾燥粉末を家畜飼料などに活用する実験を始めた。この実験では、カブトムシの幼虫を人間の食用としても活用する方向で研究を進めていたという。
実験施設でニワトリ用の飼料にする目的で、カブトムシの幼虫500匹を飼っていたところ、幼虫のエサとなるシイタケの廃菌床や廃竹のチップを使った堆肥から、大量のクロバネキノコバエが発生、施設内に広がり、近隣住民宅にも飛来したものとみられる。
当初、カブトムシへの影響を懸念し、殺虫剤を使用していなかったが、今年3月中旬に、近隣住民から「小さな虫が飛んで、不快で困っている」などの苦情があったことから殺虫剤を使い駆除を行ったという。幼虫は、福岡市西区の同大伊都キャンパス内に移し、飼育に用いた土は廃棄処理されている。
嘉麻市と九州大学は、近隣住民宅を訪問して謝罪したうえで、周辺住宅を含めて謝罪と実験からの撤退を伝える謝罪文を配布。今後の実験の再開については、九州大学と嘉麻市との間で協議したうえで決めるという。
嘉麻市総合政策課は、データ・マックスの取材に対し「九州大学と市と、連名で近隣住民に謝罪文を配布した」ことを認め、「16日の市議会総務財政委員会で事案について報告を行っており、適切に対応している」と回答した。
【近藤 将勝】
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