被災者支援より万博・海外旅行
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NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「次の衆院総選挙で政権交代を実現して日本政治を刷新する必要がある」と訴えた5月4日付の記事を紹介する。
能登半島地震が発生して4カ月の時間が経過した。ゴールデンウィークは天候に恵まれ、各地の観光地が賑わっている。北陸地方でも金沢などの観光地で地震があったとは思えない賑わいが示されている。
岸田内閣は「北陸応援割」と銘打って旅行に対する利益供与政策も発動した。その一方で、もっとも被害が大きかった地域はいまもなお、苦しみのなかに取り残されている。
旅行に対する利益供与政策で、地震の被害が軽微だった地域は利益供与特需に沸き立っている。しかし、被害が大きかった地域では建物や道路等の復興も進まず、被災地のまま取り残されている。
石川県の発表では4月30日時点で4,606人が避難所での避難生活を強いられている。避難所では、いまなお段ボールベッドでの生活を強いられている。いまなお深刻なのが水道。震災発生時には11万4000戸が断水した。4カ月の時間が経過したがいまなお、奥能登地方では約4000戸の断水が続く。
奥能登地方以外では水道が復旧したとされるが、これは各家庭の水道メーターまでの水道管が復旧されたということに過ぎない。道路下を通る水道が復旧しても、各家庭の水道メーターから家屋内の蛇口までの復旧が完了しなければ水道を利用することはできない。
県などが公表する「断水の解消」は、浄水場から各地域へ水を送る水道管の「本管」と、本管から各家庭に備えられている水道メーターまでの「引き込み管」の修理が終わったことを意味するにすぎない。しかし、水道メーターから住宅の蛇口までの水道管が壊れていれば水道を利用することはできない。
水道メーターから先の工事は各家庭の負担になる。この復旧工事のキャパシティーが不足している。さらに、相手の足元を見透かすように、遠方の事業者が法外な工事代金を要求するケースが多く報告されている。
石川県が整備を進める応急仮設住宅は、9市町が建設を要望する全6421戸のうち、5月1日時点で全体の5割強にあたる3421戸が完成。約5割がまだ完成していない。県は8月中にすべての応急仮設住宅の完成を見込む。「応急仮設」なのに8カ月もかかるということ。
他方、自治体が民間の賃貸住宅を借り上げ、被災者が最長2年住むことができる「みなし仮設住宅」は、「住宅の被害認定調査で半壊以上」「ライフラインが途絶し、長期間居住できないと市町が認める人」などが対象となる。
富山、福井、新潟各県への避難者を含めて、4月15日時点で石川県内の被災者3155世帯が利用している。入居手順は、希望する被災者が住民票のある市町に申請後に県が書類を審査。県から決定通知が出た後に、被災者と市町、物件の貸主の3者で賃貸契約を結んで入居する。
しかし、これでは時間がかかり過ぎるため、自治体からの罹災(りさい)証明書発行前に被災者が物件を探して入居を始めた事例が多い。この場合、当初は一般の民間賃貸と同じように貸主と入居者の2者契約になるが、事後に「みなし仮設」として3者契約に切り替えることも可能とされている。3者契約が成立すれば2者契約で支払った家賃や礼金なども返金される。
※続きは5月4日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「被災者支援より万博・海外旅行」で。
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