2024年12月23日( 月 )

セガサミー、シーガイア売却でIR事業から撤退へ

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

 セガサミーホールディングス(株)(東証プライム)がこのほど、10年強保有してきた大型リゾート施設「フェニックス・シーガイア・リゾート」(宮崎市)を米投資ファンドのグループ会社に売却すると発表した。

 2012年にセガサミーに買収されたが、セガサミーは当時、統合型リゾート(IR)施設への参入を目指しており、ホテルに加えゴルフ、温泉などの施設が一体となったシーガイアを買収することで、大規模施設の運営ノウハウを得ることを企図していた。一方、宮崎の経済界にもシーガイアを軸としてIR施設を誘致する構想があったとこれまでに報じられていた。

 セガサミーは、IR誘致を目指していた横浜市によるIR事業者の公募に対し、シンガポールの事業者、国内ゼネコンらとのコンソーシアムのかたちで応募するなど、IR参入に意欲を燃やしていた。しかし、21年に行われた横浜市長選挙ではIR誘致の中止を掲げた候補が当選、就任後に誘致を撤回していた。

 セガサミーとしては、横浜市でのIR誘致計画が頓挫したこともあり、シーガイアを保有し続ける必要はなくなっていた。本業のゲーム事業に専念するためにも、シーガイアが買収後で最も業績がよい時期を見計らって手放したということだろう。

 九州では3月、国からIR整備計画が認定されなかった長崎県がIR整備の断念を表明している。

【茅野 雅弘】

関連キーワード

関連記事