政治資金規正法改正の闇
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NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「政治資金規正法抜本改正を確実に実現する新党の創設が必要」と訴えた5月17日付の記事を紹介する。
今国会の最重要議題は政治資金規正法改正。昨年秋に問題が表面化して半年以上の時間が経過した。国会では裏金議員を政倫審に呼ぶことが繰り返されたが、政倫審に裏金議員を呼んでもほとんど意味がない。政倫審ではウソを証言しても罪に問われず、都合の悪いことは知らぬ存ぜぬ、記憶にないと言い逃れできてしまう。
問題が拡大するなかで予算審議が行われた。野党に本気で問題を解決する気があるなら、予算審議で核心を衝く必要があった。
最終的に焦点になるのは政治資金規正法改正。政治資金規正法改正の具体案について、与党の確約を取り付けるべきだった。与党が真摯な対応を示さぬなら予算審議に応じないとの強い姿勢を示すべきだった。野党の主張に理があるわけだから、与党が誠実な姿勢を示さずに予算審議が進まず、予算成立が遅れれば、批判は与党に向かう。この時点で「政治とカネ」問題の核心に踏み込むべきだった。
本ブログ・メルマガでこのことを繰り返し主張した。しかし、野党第一党の立憲民主党は何もしなかった。本会議で長い時間をかけて演説をしたところで成果を得ることなどできないことは自明だった。
立憲民主党は予算の年度内成立に全面協力した。このことから、実は、野党の側も抜本法改正を望んでいないとの疑いが生じる。
最大の問題は政策活動費。二階俊博元自民党幹事長は幹事長時代の5年間に47億円もの政策活動費を受け取っていた。政治資金規正法第21条の2の2項は、政党が政治家個人に対する寄附を容認している。この条文によって50億円近い政治資金が自民党幹事長に寄附され、その政治資金が何にどのように使われたのかが一切分からない。これが最大の「裏金」問題。
2022年の政治資金収支報告書によると自民党は幹部15人に計14億1,630万円の政策活動費を支出している。最多は茂木敏充幹事長に対する9億7,150万円。22年の参院選公示前後に同氏には1億3,000万円が渡されている。
政治資金の流れを透明にする。政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治資金の収支を公開し、政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的に政治資金規正法が制定されている。
年間10億円もの資金の収支が闇に葬られていること自体が政治資金規正法の形骸化そのもの。21条の2の2項削除、すなわち、政策活動費の廃止が法改正の出発点に位置付けられるべきだ。
※続きは5月17日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「政治資金規正法改正の闇」で。
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