2024年11月20日( 水 )

かかりつけ薬局?何それ?

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kusuri 昨日、知合いの薬剤師と居酒屋で話した。
 「かかりつけ薬局って知ってるか?」「新聞で読んだけど余りよくわからないな?」
 かかりつけ薬局とは、24時間体制で患者に対応する、仕切りで区切った相談窓口がある、といった条件を満たした薬局。都道府県に対し自らがかかりつけ薬局であることを報告し、都道府県はホームページで公表して一般に対して利用を促す。厚労省は、かかりつけ薬局に市販薬をある程度そろえてもらうことも検討する。生活習慣病の予防教室や薬に関する相談会開催なども求める。

 薬局の普及に取り組むのは、患者の安全性に配慮しながら医療費を抑えるのが狙いだ。複数の病院に通う患者は、それぞれの病院のそばにある別々の薬局で薬を受け取ることが多い。1つのかかりつけ薬局が患者のすべての薬を把握できるようになれば、患者は危険な薬の飲み合わせを避けられる。同じ薬を重複して投薬されることもなくなり、医療費の負担が減る効果も期待できる。

 厚労省は16年度以降の医療サービスの公定価格(診療報酬)の改定で、かかりつけ薬局が受け取る報酬を優遇する方針だ。具体的には診療報酬を決めるにあたり、かかりつけ薬局の認定基準は別に議論する見通しである。

 良いことずくめのようであるが、課題も多い。かかりつけ薬局の基準を満たせるのは、大手チェーン調剤薬局が殆どであり、病院前にある門前薬局が姿を消すかもしれない。
 高齢者の患者にとって、門前薬局の近さは助かっている。チェーン調剤は総合病院前には山ほどあるが、診療所レベルではまだまだ無いのが現状だ。
 また、理想的なシステムに見える危険な薬の飲み合わせは、薬剤師が医師に指示してどこまで改善できるかも未知数である。
 患者本位の制度改革は一体いつになったらなされるのだろうか?

【酒井 満】

 

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