安保法制問題で目覚めた若者たちの想い(2)
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弊社では先日、安保関連法の成立を強行した安倍政権に対し、反対の声を上げるため、福岡で地元大学生を中心に7月に結成されたFukuoka Youth Movement(フクオカ・ユース・ムーブメント、以下FYM)の中心メンバーに話を聞いた。その中の一人、FYM設立時からのメンバーである西南学院大学法学部4年生、熊川果穂さん(以下、熊川)の話を紹介する。
――FYMを立ち上げようと思った経緯は?
熊川 7月16日に安保法案が衆院本会議で可決された後、所属していた大学のゼミのメンバーでデモをやろうという話が出てきたのが始まりです。私のゼミは10年ほど前から他大学のゼミとも交流があり、弁護士と教授、学生たちで憲法について考える会を開いています。この会の方々と私たちが協力して立ち上げたのがFYMです。
――FYMの構成を教えてください。
熊川 メンバーは25人います。そのなかで中心的な役割を担うメンバーは9人です。9人は週1回の頻度で開かれる話し合いに出席し、次回のデモのテーマや、当日の役割分担を大まかに決めます。他のメンバーはビラを配ったり、SNSでデモの告知をしたりします。メディアからの取材依頼が議題にあがるときもあります。メンバーは固定でなく、個人の状況によって入れ替わり、挙手すれば誰でも加入できます。
――安保法案をめぐっては、皆さんのように各地で若い世代の方々が反対の声を上げました。大学、あるいはご自身の周囲でも、デモに参加するなどした変化は感じますか。
熊川 政府に不満を持つ人たちが意見を言ってくれることはあります。それでも、たとえば大学の食堂で政治の話をするような、政治に対する関心の高まりが広がっているとは言い切れません。ただ1年前は、友たちと政治の話を真剣に議論することはなかったので、大きな進歩です。
――来年から選挙年齢の引き下げ、そしてそれにともない、政治教育が公立高校に導入されます。
熊川 政治の「中立性」を保つ、という点に率直に強い違和感を覚えます。意見は自分のうちにある価値観や意見が外と触れ合って生まれるもの。政治教育を推し進めるにしても、1人ひとりの感情を大切にし、自分のなかに芽生えた疑問をもっと掘り下げ、自分の感性ともっと向き合ってほしい。感情を言語化して相手にうまく伝える努力をするべきです。
――最後に、今後の活動方針をお聞かせください。
熊川 デモによる熱を、来年夏の参院選までの一過性のものではなく、維持し続けることが課題です。そのための具体的な方針は、これから検討していきます。
(つづく)
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