2024年11月25日( 月 )

中国習主席、今度は訪英

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toei 外交姿勢を強めている中国の習近平国家主席が、今度はイギリスを訪問した。習主席と彭麗媛夫人は10月19日夜、ロンドンに到着し、20日、エリザベス女王とフィリップ殿下による歓迎式典に出席した。国賓として訪英している習氏夫妻を、イギリス側は祝砲を撃つなどして歓迎した。

 中国の国家主席による公式のイギリス訪問は、2005年の胡錦涛前主席以来で、約10年ぶりのこととなる。習氏夫妻を、キャメロン首相らが握手で出迎えた。また、バッキンガム宮殿ではイギリス女王のエリザベス2世が歓迎晩餐会を開催、習主席はウィリアム王子とも会談した。中国中央電視台は「特別報道」と題して、ニュース番組のなかで特集を組んだ。そのなかで「習体制はイギリスをはじめとするヨーロッパ経済界の歓迎を受けている」とした。

 また、この訪英にともなって、中国人民銀行は英国・イングランド銀行と、通貨スワップ協定延長の取り決めを結び、融通規模を2000億人民元(約4兆円)から、3500億人民元(約7兆円)に拡大したと発表。中国銀行も、ロンドンで中国銀行ロンドン取引センターを設立し、北京、ロンドン、シンガポールを結ぶ中国銀行の人民元建て債券取引指数の式典を開催するなど、中国とイギリスの経済界での連携も密接に図られている。

 習体制になって以降、中国は外交姿勢を強く打ち出し、アフリカの首脳などとも頻繁に会談を行っている。今回の訪問は、ヨーロッパの政治・経済的な中心とも言えるイギリスに楔を打つことで、「中国の存在」を世界的に見せつける狙いがある。ロンドン市内の沿道には多くの在英中国人らが中国国旗を振り、来訪を歓迎する一方で、「チベットに自由を」と書いたプラカードを見せつける「反対派」の姿も見られ、殺伐とした緊張感を生んだ。

【杉本 尚丈】

 

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